上院のコロナ禍に対する議会調査委員会(CPI)が6月30日に行われ、企業家のカルロス・ウィザルジ氏が召喚された。黙秘権を認められている同氏は挑発的な態度に終始し、委員たちを怒らせた。6月30日付現地サイトが報じている。
ウィザルジ氏は6月7日にCPIに召喚されていたが、国外にいるとの理由で当日になって出席を拒み、問題となっていた。CPIはこの後、同氏の立場を、証人から捜査対象者にきりかえている。同氏は28日に帰国し、裁判所に旅券を提出している。
ウィザルジ氏はこの日も、かねてから同氏が中心メンバーの一人とされている「影の委員会」の存在について、「知らない」と語ったあとは、裁判所から認められた黙秘権を行使。委員からの質問には答えようとせず、ときには自分の書いた本の宣伝行為まで行った。
その態度は委員をいらつかせた。オットー・アレンカール上議は無言を貫くウィザルジ氏に対し、「あなたは家族にさえ勧めていなかったクロロキンを、無責任にも従順なブラジル国民に勧めようとした」と発言。それに対しウィザルジ氏の弁護士のアルベルト・トロン氏が食って掛かり、アレンカール氏を「臆病者」などと罵倒。これを聞いたアレンカール氏は激怒して「警察を呼んでつまみだすぞ」と主張。場内が騒然となった。
こうした態度に、委員たちは、ウィザルジ氏が物議をかもした場面の動画を流して対抗した。ウィザルジ氏はその動画の中で、外出自粛を実践したにも関わらずコロナで命を落とした5人の人のことをあざ笑い、「早期治療を行わなかったからだ」と語っていた。
この動画を流した後、オマール・アジス委員長は「あなたは黙っているわけにはいかない。もう、50万人もが命を落としているのだから」とウィザルジ氏を諌めた。
また、この日のCPIでは、インドのコロナワクチン「コバクシン」の不正契約疑惑への関与を指摘されているリカルド・バロス氏や、アストラゼネカ社のワクチンに1回分につき1ドルの賄賂を課そうとしたとされる保健省ロジスティック部長のロベルト・ジアス氏など、15人の召喚を決めている。