各金融機関間が情報を共有する事で顧客が利用できるサービスや商品を増やし、より良い条件のサービスや商品を使えるようにする「オープン・バンキング(OB)」に関する日程表が発表されたと6月27日付現地サイトなどが報じた。
オープン・バンキングとは中央銀行が推進役となって進めているもので、顧客が持つ資産や現金を、より良い条件を提示した銀行や商品に運用する事が可能となるとされる。中銀は既に、どこの金融機関からでも24時間、リアルタイムで送金できる上、相手側にも即刻入金される「PIX」を導入済みだ。
PIXの利用者は急増中で、OBの導入が遅れる要因ともなったが、OB導入の第1段階は2月1日に始まっている。
この段階では、対応する金融機関や従来の金融商品やサービスなどの情報共有が進められた。一部の銀行では「オープン・ファイナンス」などの名前で、OBのアピールも始めている。
一例はブラジル銀行によるもので、「あなたが関係を持っている銀行同士が個人情報や金銭のやり取りの経歴といった情報を共有する事で、各種のサービスを必要に沿ったものにする事ができます」「金銭の動きに関する情報が共有されれば、当行はあなたの必要やプロフィールに最適なサービスを提供できるようになります」「いつ、どのような情報を誰に提供するかはあなたご自身が決められます」という表現でオープン・バンキングの特性を紹介している。
また、「あなたの好みや人生の瞬間を理解できれば、当行顧客、新規顧客、起業家、開発者、その他想像できる全ての人にとって、より適切な解決方法を提示できます」とし、「オープン・バンキングの特性を十二分に利用できるよう、当行で登録を」と勧めている。
中銀によると、OBの第2段階は7月15日からで、同システムに参加する各金融機関が持つ個人情報や金の動きなどの情報の共有が始まる。
また、8月30日からはPIXを使った送金に関する情報の共有が始まる。第4段階は12月15日からで、各金融機関が提供する両替や投資、社会保障、保険といったサービスの商品名や価格などの情報も共有されるようになる。
また、22年2月15日には、同一銀行内の口座同士の送金と銀行の当座預金の電子式移転(TED)の情報共有が始まり、3月30日からは融資などのオペレーション関連の情報も共有できるようになる。
22年5月31日からは、両替や投資、社会保障、保険といったオペレーションに関する顧客情報の共有、6月30日には振替用紙(boleto)による支払い情報の共有も始まる。自動引き落としなどの情報も共有されるようになるのは9月30日からの予定だ。
なお、ワッツアップは6月29日、5月から始まったワッツアップによる送金サービスが国内の全ての利用者に解禁されたと発表した。この送金サービスは、1件最大1千レアル、月間では5千レアルまで可能だ。受け取りも1日20件まで、月間では5千レアルが上限となっている。
★2020年9月23日《ブラジル》即時振り込み新方式Pix=24時間即時送金の優れモノ=11月から稼動開始
★2020年11月17日《ブラジル》PIXが16日から本格始動=デジタル化で業務迅速化
★2021年5月12日《ブラジル》ワッツアップで送金可能に=個人限定で月5千レアルまで=3月30日に中銀の許可出る