サンパウロ州の路上生活者救済運動が6月30日、サンパウロ市ではこの日、7人の路上生活者が凍死した可能性があると報告したと同日付G1サイトなどが報じた。この日の朝の最低気温は6度で、過去5年間で最も寒い朝となった。
凍死と思われる路上生活者は、同市中央部のセー広場で3人、バイシャーダ・ド・グリセリオで1人、地下鉄のチラデンテス駅の傍で1人、同市西部のバラ・フンダ区で2人となっている。
サンパウロ市役所は、死因の特定は、法医学研究所(IML)またはサンパウロ総合大学の検死サービス(SVO)によらなければならないとして、凍死との見方を否定している。
だが、路上生活者司牧会コーディネーターのジュリオ・ランセトッチ神父によれば、セー地区で亡くなっていた男性の1人は暴行を受けた様子がなく、凍死または低体温症との判定が出なかった場合も、寒さのせいで肺炎や心臓麻痺を起こして死亡した可能性が高いという。
同神父によると、路上生活をしているが、市が経営する収容施設に入りたくない人は依然多く、現在の政策では路上生活者の必要には応えきれないという。
セー地区では昨年も、最も気温が低くなった日の未明に1人、一昨年は氷雨が降った未明に2人が凍死している。
今回の寒波をもたらしたのは、寒冷前線とそれに続いて流入してきた南極方面からの大寒気団だ。この寒気団は、6月28日から29日にかけて、南部のサンタカタリーナ州やリオ・グランデ・ド・スル州で雪やあられを降らせた上、サンタカタリーナではマイナス7・5度など、パラナ州を含む南部3州で今年一番の寒さを記録。サンタカタリーナ州では6月30日も、氷点下を記録し、降雪を見たところが出ており、南部や南東部での厳しい寒さは続きそうだ。
★2017年7月20日サンパウロ市=引き続き厳しい寒さに覆われる=市西部では路上生活者が凍死?
★2016年6月16日サンパウロ市寒波=困窮する路上生活者たち=私物も没収の警備隊に批判=施設に入りたがらない人も
★2013年7月27日サンパウロ市の凍死者は4人?=南伯では農作物に被害も
★2019年7月9日《ブラジル》東西南北