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《ブラジル》最高裁がフェイクニュース新捜査開始を判断=ボルソナロ一家も対象に

 最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は1日、ネット上でのフェイクニュースなどのネット犯罪に対する新たな捜査の開始を決めたが、その対象にボルソナロ大統領やその息子たちが含まれていることがわかった。1、2日付現地紙、サイトが報じている。
 モラエス判事は1日、それまで担当していた反民主主義的行為に対する捜査のお蔵入りを宣言した。それと同時に、最高裁に花火を発射したことで逮捕処分を受けたボルソナロ派の活動家サラ・ウィンター氏らに対する警告処分などを解いた。
 この捜査打ち切りは、連邦検察庁が「捜査対象となっていた、大統領派の10人の下議と1人の上議たちには犯罪に当たる行為が見つからなかった」と最高裁に申し入れたためだ。だが、連邦警察側は「捜査をさらに進めるべきだ」と主張していた。
 モラエス判事はそこで、反民主的行為の捜査を打ち切る代わりに、フェイクニュースをはじめとした、民主主義を揺るがすネット上の行為に関する捜査を新たにはじめると発表した。

 そこでの捜査対象となるのは、ボルソナロ大統領、長男フラヴィオ上議、次男カルロス・リオ市議、三男エドゥアルド下議のほか、連邦政府内の「憎悪部隊」の中心人物とされる連邦政府職員のテルシオ・アルナウド・トマス氏や、同氏が行った供述で言及した会合に参加していたとされるパウロ・エドゥアルド・マルチンス下議、ビア・キシス下議、ダニエル・シルヴェイラ下議らの名もあがっている。シルヴェイラ下議は現在勾留中で、下院が職務停止としている。
 モラエス判事によると、これらの人物は連邦警察による第4781号と呼ばれる捜査で、民主主義や人権を侵害するようなネット犯罪に関与したことを示す強い兆候や証拠があるとみなされた人たちだという。同件に関する捜査は90日間の予定だ。
 モラエス判事はさらに、隠し口座の利用と公務員を違法な形で選挙運動に参加させた嫌疑で、パウラ・ベルモンテ、アリーネ・スレウテス両下議に対して、別件の捜査を進めることも命じている。