在マナウス日本国総領事(荻野正裕(おぎの・まさひろ)総領事)は6月24日、移住先没者慰霊碑に献花を行った。今月9日に着任した荻野新総領事の当地における最初の行事となった。
「日本人の移住者とそのご子孫の皆様が重ねられてきたご努力とご苦労に心から敬意を表します。在マナウス日本国総領事として仕事を始めるにあたり、まず慰霊碑を訪れたいと思っていました。当地日系社会の更なる発展に向けて、力を尽くして参ります」と意気込みを語った。
慰霊碑の献花に際し、西部アマゾン日伯協会の錦戸健会長と岡本健理事に迎えられ、慰霊碑建立の経緯や同州での日系移民の歴史などの説明をうけた総領事は、「先人たちのご苦労、ご尽力の上に今の日系社会がある」と強く実感した様子。
今年は国士舘高等拓殖学校卒業生(高拓生)の入植から90周年にあたる事を受け「当地日系社会のさらなる発展に向けて、力を尽くしたいです」と述べた。
同地の状況について「今年初めは大変な状況のようでしたが、多くの市民の方がワクチンを接種され、今は落ち着いているようです。暑い中でも、みなさんマスクをして感染防止に努めている」と同地の状況を説明する。
荻野総領事は1987年に外務省に入省。以降一貫して中南米地域との関係強化に努めてきた。海外赴任は在ベネズエラ日本国大使館や在スペイン日本国大使館、在メキシコ日本国大使館の文化アタッシェ、在チリ日本国大使館政務班長、在マイアミ日本国総領事館領事を経験してきた。
ブラジルには2018年の110周年で眞子内親王殿下が来伯時に同行した。「各地で日系人の方々をはじめブラジル国民の皆様に大変歓迎を受けた事が印象に残っています」と振り返る。
この訪問で「日系人の方々が大変なご苦労をされながら、多くの困難を勤勉さと誠実さをもって乗り越え、ブラジルの発展に貢献し、今では厚い信頼を得ていることに深く感銘致しました」とブラジルで勤務したいという想いを強く抱くきっかけになったという。
今後は「コロナ禍での在留邦人の安全確保に努め、必要な情報を積極的に発信」「日本企業の一層の活躍に向けた支援」などを重点的に行っていくとの抱負をのべた。