チリで4日、憲法改正のための制憲議会の議長に先住民の女性学者エリーザ・ロンコン氏が選ばれた。5日付現地紙が報じている。
現行の同国憲法は、同国の独裁者だったアウグスト・ピノチェト元大統領が1990年に独裁を終える際に制定したもので、租税法などが国内の貧富の差を生み出す元凶となっているとして、かねてから国民の間で改正を望む声が強かった。国民の不満の高まりは2019年10月から数カ月にわたって行われたデモとなって表れ、ピニェラ大統領が改正を約束することになった。
また、今年5月に行われた制憲議会の議員を選ぶ選挙では与党が惨敗。これで憲法の大幅改正は避けられなくなっていた。
議長を決める選挙は4日に行われ、先住民マチュペ族の出身で大学教授のロンコン氏と大統領派のハリー・ユルゲンセン氏との対決となったが、一次投票の時点で58対36、決戦投票で96対33でロンコン氏が当選した。ロンコン氏は2019年のデモに参加したときに注目を浴びた女性だ。
同議会は男性78人、女性77人と男女比がほぼ均等で、先住民の議員も17人いる。