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群馬県大泉町=フードバンクで食料配布=国籍の区別なく93人に

食料を受け取るキムラさん

食料を受け取るキムラさん

 【群馬県発=國分雪月記者】リスタートコミュニティ(一般社団法人日本海外協会、林隆春会長)が3日、生活困窮者への食料配布を行った。ブラジルをはじめとした南米諸国やベトナム、日本国籍など93人が受け取った。
 このフードバンク事業は昨年9月に始まり、まず大泉町のブラジリアンプラザ内のリスタートコミュニティ支援センターに宿泊する生活困窮者への食事支給を皮切りに、先月からは食品の配布をはじめた。
 破損や過剰在庫などの理由で流通させることができないが、食べるには問題がない安全な食品を企業から寄贈してもらい、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動を「フードバンク」という。
 配布が始まる午後2時前から配布場所を訪ねる人が現れ、配布開始後は車や人が途切れることがなかった。忙しい時間帯にはボランティア7人が忙しく倉庫内を動き回り、食品を詰めた箱を人々に渡した。

フードバンク事業の様子

フードバンク事業の様子

 キムラ・ダグラス(三世、41)とイタマラさん(39)夫妻はコロナの影響で仕事が減ってしまった。イタマラさんは失職し、さらに育児も重なり仕事に就くことができていない。友人からフードバンク事業を聞き訪れた。「必要な人へはとても大きな援助になる、素晴らしい活動だと思う」と語った。
 エハラ・エリザベッチさん(三世)夫妻は今年1月にコロナに罹り、さらに失職してしまった。政府の援助を受けて生活していたものの、先週やっと仕事に就くことができたそうだ。「沢山の人を援助できる活動だと思う。私たちも助けられている」と感謝を述べた。
 フードバンク事業の中心となり活動している鈴木アウレリオさん(52、二世)は「毎週沢山の人の生活の様子を聞いている。みんな本当に困っているし、日本人の方も増えてきた。現在効率的な配布の方法を調べている最中だが、多くの人との交流もあり、やりがいがある」と笑顔を見せた。