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《サンパウロ州》ドリア州知事が再感染=ワクチン接種効果を強調=入院後の死者が46%減少

ドライブスルーでのワクチン接種(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 【既報関連】ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事が14日、新型コロナのワクチン接種を受けた州公務員の職場復帰を命じた際、入院後に死亡したコロナ感染症患者が46%減少などの接種効果についても報告した。
 15日にはドリア氏が新型コロナに再感染し、自主隔離に入った事を公表した。ドリア氏は2度の接種を受けており、症状はごく軽症だという。
 14、15日付の現地紙やサイトによると、ワクチン接種効果で最も注目されたのは、入院後に死亡した患者が46%減少したという部分だ。
 同知事によると、3月は入院患者6万7千人中2万3千人(35%)が死亡し、入院患者の致死率が1~6月で最も高かったが、6月の入院中の死者は3万7千人に対し7千人で、致死率が19%に下がったという。
 ドリア知事が発表した「46%減少」という数字は「致死率が35%から19%に46%も低下した」という意味で、同知事は「これはワクチン接種が進んだ結果だ」と説明した。州保健局長のジェアン・ゴリンシュテイン氏によると、入院時の患者の症状は以前より軽く、入院後の症状悪化も減っているという。
 厳密に言うと、保健省の統計での3月以降のサンパウロ州での感染者は、3月42万8221人、4月43万3860人、5月36万8334人、6月45万5305人、3月以降の死者は、3月1万5159人、4月2万1539人、5月1万5183人、6月1万6307人だから、入院患者以外でも死者が発生していた事や死亡してから感染が確認された例も相当数ある事が明らかだ。

 それでも、3~4月の感染者急増時に生じていた入院待ちのまま死亡する人がなくなった事、若い人の入院が増えて入院期間が延びた事などで高止まりしていた集中治療室(UTI)占有率が下がって来た事、入院患者や入院後に症状が悪化して死亡する人が減少している事は、ワクチン接種の有効性と、感染者や入院患者減少で医療機関や医薬品の補給にゆとりが生じ始めた事を示す。
 6月の感染者数は過去最高なのに入院患者が減り、UTI占有率が低下しているのも、ワクチン接種で感染したり重症化したりする人が減っている証拠だからだ。UTI占有率は全国的に低下しており、14日は全国のUTI占有率が90%を下回った。
 サンパウロ州では18歳以上の成人人口の62%が初回接種を受けている。接種完了者は、90歳以上で95%、70~89歳は100%だ。
 コロナ対策センターのコーディネーターのジョアン・ガバルド氏は、12歳以上の青少年も接種を受け、86%が抗体を得ればコロナ禍はコントロール可能と見ている。サンパウロ州の予防接種計画では、18歳以上は8月20日まで、12~17歳も9月中に初回接種を終える予定だ。
 なお、サンパウロ市でのデルタ株(インド株)感染者確認で検討され始めたアストラゼネカ社製とファイザー社製ワクチンの2度目の接種前倒しは行わない事(従来通り12週後に実施)も確認された。
 サンパウロ市でのデルタ株患者やその家族に関しては、現在も感染経路が確定できず、市役所も市中感染との見方を強めている。
 14日はリオ市でもデルタ株感染者が2人確認されたが、こちらも市中感染の可能性があり、懸念が広がっている。