サンパウロ州政府が下半期に計画している大型イベントの再開に向けたテストイベントの「リテイク(Retomada)」と称するエクスポが、21~22日にサントス市で開催されたと21日付G1サイトなどが報じた。
テストイベントの参加者は、今後2週間、市や州の保健局の観察下に置かれる。州政府はテストイベントを通し、イベント開催によって新型コロナへの感染が起こるかやその頻度などを分析し、防疫基準が有効かなどを確かめる意向だ。
エクスポに出展する企業は、安全基準や発明に関する基準を提示する。それらの基準のいくつかは、ブース設営時からイベント期間中ずっと、職員達に適用される。
また、新型コロナの感染拡大を防ぐための防疫基準は、サンパウロ市のクリニカス病院の協力を得て作成したものが使われる。今回のイベントで使われる防疫基準は、入り口での簡易型感染検査や入り口での体温測定、QRコード使用による人的接触不要のアクセス・コントロール、マスクの着用、社会的距離確保のための幅広の通路、最大3時間までの滞在時間制限となっている。
テストイベントの会場はサントス市のコンベンションセンターで、開催時間は11時から17時まで。1日の入場者は750人が上限(2日間で1500人)とされていたが、21日は入れ代わりなども含め、846人が入場したという。
イベントに参加する人達には、防疫基準などに従う事や、基礎疾患がない事を明言するなどの責任条件に同意する事が求められる。会場にアクセスするためのQRコードを受け取るのは、同意が成立してからだ。
全ての参加者は入場時に感染の有無を調べる検査を受けてから入場するが、イベント後も、市保健局や州保健局による観察下に置かれる。市や州の保健局員は、その後の経過を確認するために、文書によるメッセージを送付したり、電話をかけたりする事になる。経過観察は、入場券を購入する時にセットで取得するアプリを使用して行う事もできる。
ワクチン接種が進んでいる欧米諸国などでは既に、スポーツの大会や音楽のショーなどを開催するための試験的な大規模イベントを開催したりしているが、ブラジルはまだ接種率が低く、そこまではいっていない。
サンパウロ州は今回のエクスポのようなテストイベントを30回重ねた上で、大規模イベント開催の可否を判断する。
なお、テストイベントは他州でも計画されており、22日付G1サイトは、サンタカタリーナ州のフロリアノポリスで29日に開催される、最大548人を入れたピアノとオーケストラによるコンサートについて報じている。コンサートの参加者には、開催日の3週間前までにワクチン接種を完了している事などが求められる。入場は無料だが、希望者は25日までに入場券の申し込みを行わなければならない。