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東西南北

 23日から東京五輪がはじまっている。コロナ禍の中、開催に反対の声をあげる人が国際的にも少なくなかったが、いきなりのメダル・ラッシュに、ここブラジルでも、半日の時差というハンデがあるのにテレビ観戦している人が少なくない。そんな中、リオ五輪の男子体操床運動で銅メダルを獲得した日系人アルトゥール・ノリが惨敗に終わった。ノリは今大会でも鉄棒の有力メダル候補だったが、大会前に、かなり前に所属チームの同僚で黒人のアンジェロ・アサンプソンを人種差別的なジョークでからかった過去を掘り起こされ、ネットで批判されるスキャンダルが起きていた。ノリは敗退後のインタビューでこの件で悩んでいたことを告白している。大事なチャンスの直前に過去をほじくり返されるのは、国を問わず、ネット社会の怖いところだ。
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 24日付でも封じた、5カ所の骨折と2本の歯損傷などの大怪我を負ったジョイセ・ハッセルマン下議が25日、疑われていた夫ダニエル・フランサ氏による家庭内暴力を否定した。ジョイセ氏は夫を伴って応じた取材で、自身を襲った人物に関して、「考えられる人物は2人」と言い、「うち一人はボルソナロ大統領派の議員だと推測している」とまで語った。ジョイセ氏は今月2日、2018年のボルソナロ氏刺傷事件の真相をほのめかしている。
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 世間は五輪ムードだが、その一方で国内のサッカー界ではブラジル杯の決勝トーナメントが今日からはじまる。今年のサンパウロ州勢はサントスとサンパウロの2チームが進出。サントスがジュアゼリエンセ、サンパウロがヴァスコ・ダ・ガマと、いずれも本拠地で明日28日に対戦する。リベルタドーレス杯、全国選手権と多忙だが、頑張ってほしい。