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《ボリビア》世界最高地に初の原子炉=ロシアと共同で26日に建設開始

ロシアのポルトガル語ニュースサイト「スプートニク」27日付記事の一部

 26日、ボリビアのルイス・アクレ大統領とロシアの原子エネルギー公社ロスアトムの副理事のキリル・コマロフ氏が、ボリビア初の原子炉の建設開始を宣言したと26、27日付スプートニクニュースが報じた。
 この原子炉は海抜4千メートルにあるエル・アルト市に建設され、原子研究技術センター(CNTRD)の中核をなす。この事業では、エル・アルト市とラパス市で500人以上の熟練工の雇用が生まれる見込みだ。
 アクレ大統領とコマロフ氏は同日、建設の第1段階にある、サイクロトロンと呼ばれる装置を使う放射性薬理学の前臨床研究用総合センター(CRPC)と、第2段階にある多目的照射センターの工事現場を訪れた。これらの施設は数カ月後には機能し始める予定だ。

 CNTRDは、原子力に関する技術を農業や医学、その他の分野に生かすための施設だ。CNTRDには200kWの加圧水型原子炉をベースにしたシステムが設置される事になっており、そのための原子炉の建設が26日に始まった。
 CNTRDでは、放射線照射を農産物の質を高めるためにも用いる。放射線照射を受けた農産物は長持ちするため、輸出用の産物中心にこの技術を適用する見込みだ。放射線照射を受けた農産物は安全で味も損なないため、多くの国でこの技術を利用しているという。
 研究用原子炉と研究室は、高度な科学研究と原子力産業のための優秀な人材育成も可能にする事も期待されている。
 ボリビアとロシアの間でのCNTRD建設は2017年に合意が成立。ロシアはラ米諸国への原子力技術の輸出の可能性を探っており、この事業はこの地域で展開する大規模事業の一つだ。