ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》「選挙は安全」歴代の選挙高裁長官が連名宣言=大統領に強烈な反論

《ブラジル》「選挙は安全」歴代の選挙高裁長官が連名宣言=大統領に強烈な反論

 1988年以降の選挙高裁(TSE)の歴代長官16人と現在のTSE長官が連名で2日、「ブラジルの選挙の投票方式は安全」との宣言を行った。これは、証拠を示せないまま「選挙に不正があった」と主張し続けるボルソナロ大統領への返答と解釈されている。2日付現地サイトが報じている。
 この声明は、TSEの現長官であるルイス・ロベルト・バローゾ長官と、エジソン・ファキン副長官をはじめとする現在の最高裁判事9人を含む、1988年以降の存命のTSE長官経験者が連名で発表したもの。

 その声明では「1996年に導入して以来、25年の間、電子投票で問題が起こったことはない」「印刷つきの電子投票(ヴォト・インプレッソ)が従来の電子投票よりも安全性に欠けることを示す事例がすでに存在している」など6点の主張が行われ、「ヴォト・インプレッソを導入しないと選挙をさせない」と主張するボルソナロ氏に強い反対の意を示した形となった。
 ボルソナロ氏は7月29日、「過去の選挙で不正があったことを暴いて見せる」と宣言したにもかかわらず、明確な証拠を提示できなかったことで、政界や司法界のみならず国民からも強い批判を受けている。1日には大統領支持者たちがヴォト・インプレッソを求めるデモを行ったが、これも不発に終わっている。
 また、TSEでは「選挙に関する虚報を流し続けた」として、ボルソナロ氏を起訴する可能性も示唆している。