ブラジル公共清掃協会(Abrelp)によると新型コロナのパンデミックにより、家庭から出るごみと路上の清掃で回収される再生資源ごみが共に増えたと2、3日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同協会によると、昨年中に全国で回収された家庭ごみの量は平均で約10%増えたという。複数の市での回収量を見ると、新型コロナの感染抑制のために外出規制が敷かれた期間中は、多くの人が自宅勤務となったため、商店や工場が集まる地区以外で出るごみの量が増えたという。
外出規制や社会隔離が行われた事とホームオフィスに移行する人が増えた事で家庭から出るごみが増え、路上のごみの回収も含めた清掃者側の負担が増えたと語るのは、同協会理事長のカルロス・シルヴァ・フィーリョ氏だ。
同協会が昨年末に出した「ブラジルにおける固形ごみの全容」というレポートによれば、2010年は国民1人あたり348・3キロだった固形ごみが、昨年は379・1キロに増えている。
量が増えたのは再生資源ごみでも同様で、市内を回って回収された再生資源ごみは平均で25%増えたという。同協会では、再生資源ごみの増加は、インターネットで物品を購入する人が増えた事で、再生資源ごみとして捨てられる梱包用資材が増えた事が原因と見ている。
同協会では、清掃業者が回収したごみに含まれる再生資源ごみの増加率が通常のごみの増加率を上回っているは、再生資源ごみを回収する業者や分別所がパンデミックで機能しなくなり、梱包用資材などがゴミ収集車によって回収されるようになった事も影響していると見ている。
同協会は、固形ごみに関する法案が裁可された2010年以降のごみの量についても分析しており、固形ごみの量はこの10年間で約19%増えたという。ただし、国民1人あたりの固形ごみの増加率は9%だという。
固形ごみの量が多いのは南東部で、全国の固形ごみの約50%が南東部から出ているという。
また、2050年までの予想では、総人口が12%増える見込みなのに対し、固形ごみの量は倍になるとの予想されている。同協会では、国内総生産(GDP)の成長と国民の購買力の向上が、人口増加率を上回る勢いでの固形ごみの増加を招くと見ている。