東京五輪で現地時間の7日と8日、ブラジル勢は金メダル3個、銀メダル2個をとる追い上げを見せ、ブラジル史上最多の21個のメダルを獲得して閉幕した。7、8、9日付現地紙、サイトが報じている。
7日はブラジル五輪史上初の1日で三つの金メダル獲得となった。一つ目はカヌー男子のイザキアス・ケイロスだった。リオ大会で銀と銅計三つのメダルを獲得し、現在世界チャンピオンでもあるイザキアスは、得意のC―1の1千メートルを予選タイム断トツ1位で通過。この日の準決勝、決勝でも相手を寄せ付けることなく、4分4秒408のタイムで優勝。リオ大会では取れなかった待望の金メダルを獲得した。
続いての金メダル獲得は男子ボクシングのミドル級のエーベル・コンセイソンだった。この日に行われた決勝でウクライナのオレクサンドル・ヒズニャックと対戦したエーベルは第1、第2ラウンドでポイントを落とし、苦しんだが、第3ラウンドで一気に反撃。クロス・カウンターでヒズニャックをリングに沈め、今大会中のボクシングの全試合でも四つめというノックアウトで逆転勝利した。
エーベルは準決勝のバクシ(ロシア)、この日のヒズニャックと、世界チャンピオン経験者を撃破しての価値ある金メダルとなった。
三つ目の金となったのは男子サッカーだった。相手は本代表メンバーを多く抱えるスペイン代表だった。試合は前半終了間際にマテウス・クーニャがゴール前の混戦からシュートを決めブラジルが先制。だが、後半15分にオヤルザバルがダイビング・ボレーを決め、同点とされたまま延長戦に入った。
延長戦前半はこう着状態が続いた。だが後半3分、アントニーからのカウンターのクロスを受けたノー・マークのマウコンがドリブルで攻め込み、ゴール。これを守りきったブラジルが2連覇を達成した。絶妙なタイミングでマウコン投入を決断した監督の判断が光った。
8日に金メダルが取れれば史上最多の更新となったが、この日は女子ボクシングのライト級のビア・フェレイラがケリー・アン・ハリントン(アイルランド)に、女子バレーも米国に、それぞれ決勝で敗れ、銀メダルにとどまった。
ブラジルは金7、銀6、銅8と全体12位の好成績で終幕。金7、銀6、銅6だったリオ大会を上回った。閉会式では今大会で女子体操個人で初のメダルを獲得した上、女子選手では初の1大会2メダルも達成したレベッカ・アンドラーデが旗手を務めた。
関係者は女子のメダル獲得数と全体のメダル獲得数が史上最多、全体成績も最良との結果を喜んだ。だが、この結果はリオ大会時の投資の結果で、投資額はリオ大会の比ではなかった。よって「次回パリ大会での躍進は困難」との見込みも明らかにしている。
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