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《ブラジル》ブラガ国防相に疑惑続出=スパイ行為やクロロキンも

ブラガ・ネット国防相(Marcelo Camargo)

 上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)の野党側委員に対して、友人の元軍人にスパイ行為をさせていた上、クロロキンを推奨する動画の存在が明らかになるなど、バルテル・ブラガ・ネット国防相に関する疑惑が相次いでいる。7〜10日付現地紙などが報じている。
 コロナ禍CPI委員のロジェリオ・カルヴァーリョ上議(労働者党・PT)に対して、予備役軍人の元大佐ロベルヴァル・コレア・レオン氏がスパイ行為を行っているという疑惑は、3日の同CPIでカルヴァーリョ上議自身が訴えたことで明らかになった。
 同上議によると、ロベルヴァル氏は7月15日、突然カルヴァーリョ氏のもとを訪れ、「ブラガ・ネット氏の命を受けてここに来た」として、上議の身の上のことをいろいろ尋ねた。
 同上議はこれが起きた理由として、彼がブラガ・ネット氏の官房長官時代の言動の透明性に関する情報公開を求めた直後であったことをあげている。ブラガ・ネット氏は官房長官を務めていた頃、コロナ対策のリーダー的立場に置かれていたためだ。

 ロベルヴァル氏はブラガ・ネット氏の陸軍士官学校時代の同窓生で、熱心なボルソナロ大統領派だ。ネット上で積極的にヴォト・インプレッソを奨励していることでも知られていた。
 10日には、ブラガ・ネット氏が官房長官だった昨年6月にクロロキンを推奨している姿を映した動画が流れた。これは、昨年6月16日にリオの商業協会で撮影されたもので、ブラガ・ネット氏はそこで、連邦政府からリオ州に対し、22万4千回分のクロロキンを送る約束をしていた。
 同年5月には微生物学者のナタリア・パステルナック氏が、「コロナ治療薬としてのクロロキンの推奨は科学に反する」との声明を発表し、6月と7月にも効用がないことを発表していた。
 ブラガ・ネット氏に関しては7月にも、官房長官時代にインドのコロナワクチン「コバクシン」の不正契約を急がすよう、圧力をかけていたとの情報がCPIに伝えられたと報じられていた。この情報を伝えた人物は2人おり、ブラガ・ネット氏の後任のルイス・エドゥアルド・ラモス氏も官房長官時代に圧力をかけていたとされている。