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《サンパウロ市》市立校に太陽光発電導入=保健所へのモデルを拡大適用

市役所が学校にも太陽光発電を導入する意向と報じる20日付エスタード紙の記事の一部

 ブラジル南東部や中西部、南部での水危機が深刻化し、それに伴う電力供給への懸念も広がる中、サンパウロ市役所が市立校や教育センター、保健所に太陽光発電用のパネルを設置する意向だと20日付エスタード紙などが報じた。
 80の保健所(UBS)への太陽光発電用のパネル設置は、コンソルシオ・ソル・ダ・サウデが担当する事が決まり、20日付官報に掲載された。運営期間は25年間で、落札価格は市が入札規定に記載した価格より40%安い、年200万レアル(17万1400レアル/月)だった。
 市役所によると、パネルが設置されるのは80カ所のUBSだが、隣接するUBS92カ所もリモート供給されるため、計172カ所のUBSが恩恵にあずかるという。初年度は3・45メガワット(MW)の発電能力のある設備が導入され、5・5ギガワット/時(GWh)の電力供給が可能となる見込みだ。
 教育関係の施設は少なくとも775校が対象となる予定で、現在は関心のある企業による視察が終わり、どの位の価格で入札するかを検討している段階だという。

 7月14日付の官報に掲載された「関心表明手続きへの応募規定」によると、教育機関への太陽光発電導入は官民パートナーシップ(PPP)の形をとり、正式な入札規定は2022年の初頭に発表される予定だ。
 保健・医療関連の施設への太陽光発電導入は、環境面に配慮した持続可能なプロジェクトの一つで、教育関連の施設にも適用される事になった。市役所側はこれにより、教育施設への電力供給とともに、環境保全や気候変動に関する教育を進める効果もあると考えている。市役所側は、教育施設への太陽光発電導入により、約16万トンの温室効果ガスの排出が抑制されると見ている。
 市役所によると、保健施設への太陽光発電導入計画には七つの企業体が応札した。UBSへの太陽光発電導入によって抑制される温室効果ガスの排出見込み量は2万4千トンで、乗用車1万5千台が排出する量に相当するという。これだけの量の温室効果ガスを吸収するには、イビラプエラ公園に植えられている木の9倍の15万本を植樹する必要があるという。
 市役所は、172のUBSが25年間で必要とする電気関連の経費は、1億4300万レアルから6870万レアル(対価プラス電気代)に減ると試算している。太陽光発電によって節約できる経費は、保健衛生部門や教育部門、経営・管理部門などに振り分けられる予定だという。