ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》フォーカス=インフレ予測7・11%に=GDP成長率は5・27%?

《ブラジル》フォーカス=インフレ予測7・11%に=GDP成長率は5・27%?

 中央銀行の経済動向予測調査「フォーカス」によると、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予測値は7・05%から7・11%に上方修正されたが、国内総生産(GDP)の成長予測は5・28%から5・27%に引き下げられたと同日付現地サイトが報じた。
 金融機関のアナリストによるインフレ率予測引き上げは20週連続で、物価高進が続いている事を示している。7月のIPCAは0・96%上昇し、今年1~7月の累積が4・76%、12カ月間の累積では8・99%となっており、インフレ予測が政府目標(3・75%±1・5%ポイント)を大幅に超える状態も長引いている。

 IPCAが公式目標の上限値を超えると、中銀は経済基本金利(Selic)引き上げなどでインフレを抑制する必要がある。Selic引き上げは次回の通貨政策委員会(Copom)でも繰り返される予定で、年末時点のSelicは7・5%と予想されている。
 ただ、Selic引き上げによるインフレ抑制効果が表れるのは時間がかかる上、水危機による電気代値上げや燃料費の値上がりといった事態がインフレ抑制をより困難にするとの予測がインフレ予測の上昇が長引く事態を招いている。2022年のIPCA予測も3・90%から9・93%に引き上げられた。
 GDPの予測は今年が5・27%、来年が2%となっている。GDPの予測が若干下方修正されたのは、最近の政治的な緊張が法案審議の遅れなどを招き、公的負債増加や税制改革停滞、財政危機を招くとの懸念などから来ているようだ。ゲデス経済相は、所得税改正が改悪になるなら法案見送りも考えていると報道されている。