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念腹忌=今年も誌上大会で開催=「一人でも多くの投句を」

来社した鈴木文子さんと吉田しのぶさん

来社した鈴木文子さんと吉田しのぶさん

 木陰・みちのく句会の主催(吉田しのぶ代表)、朝蔭発行所(佐藤寿和代表)の後援、佐藤寿和先生による選者で第43回念腹忌誌上全伯大会が開かれるにあたり、投句を募っている。今年もコロナ禍のため誌上開催となっている。
 大会告知のため19日に吉田しのぶ代表と鈴木文子さんが編集部に来社した。「今年も会場で開催出来なく、誌上大会となりました。来年は対面で大会出来たらいいなと思います」と鈴木さんは語った。
 吉田さんは、「以前は大会会場で句友と顔を合わせて互いに元気なのを確認しあう場にもなっていたので、少し淋しい」との心中を吐露。一方で鈴木さんは「コロナ禍でイベント開催が出来ない文化活動もある中、誌上という形でも開催できて幸い」と前向きに捉える。
 念服忌は弟子たちが集い故人を偲びながら句を作る大会だが、会員以外からの投句も歓迎している。「1人でも多くの人に投句頂ければ幸いです」と鈴木さんは呼びかけた。
 日本国内でも歴史の長い俳句結社九年母(くねんぼ)会会員からの投句が2014年からあり、今日もその交流は続いている。昨年も約30人から投句があったという。

応募用紙

応募用紙

 参加費は不要、兼題は念腹忌(ブラジル歳時記419頁)、牛童子忌、潔子忌(ブラジル歳時記420項)うらら(ブラジル歳時記305頁)、木の芽(ブラジル歳時記321頁)、種蒔(ブラジル歳時記401頁)、春眠(ブラジル歳時記412頁)。
 1人五句まで、1句からでも投句可能。未発表作品のみ、楷書で記入。特殊な読みの場合などにふりがなを入れること。締め切りは9月30日迄。国内の郵便事情が悪いため多少であれば遅着でも受付けるという。
 投句先は選者の佐藤寿和先生宛て(SUWA SATO Caixa Postal Cep : 02313-970,São Paulo)まで


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    ◎
 今年で第43回目を数える念腹忌。木陰・みちのく句会代表の吉田しのぶさんは直弟子にあたる。戦前アリアンサに入植した念腹先生は、全盛期には弟子が2千人から3千人いたという。吉田さんは「先生は移住地を行脚して多くの句会を指導されていましたが、奥様の潔子さんの内助の功も大きかった」と振り返る。孫弟子にあたる鈴木さんは「豪放磊落な方でお弟子さんが困っていると親身にしてくれる」という話をよく聞いたという。かつて車のない昔は馬でサンパウロまで来る人がいたり、カンテラの下で句会をした時代もあったという。今も昔も、いかに句会が心の拠り所になっているかが伺えるエピソードだ。