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《ブラジル》ワクチン接種進展で死者感染者減=でもデルタ株感染拡大止まらず=接種終えても注意継続を

接種の効用を説くケイロガ保健相(Fabio Rodorigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 新型コロナのワクチン接種進展で感染者や死者の減少傾向が続いているが、デルタ株による感染拡大で重度の呼吸器系疾患の患者が増加傾向にある州が増えている。新規感染者に占めるデルタ株感染者の割合も増えており、接種後も警戒感を保つ必要がある。
 ワクチン接種の進展が感染者や死者の減少を招いている事は、26日現在の感染者の7日間平均が2万6050人に、死者も平均703人となった事でも明らかだ。
 27日付アジェンシア・ブラジルによれば、保健省統計では、25日から26日にかけての感染者と死者が共にゼロだった市が2950あったという。
 ケイロガ保健相はこれを受け、「60日間で感染者が60%、死者も58%以上減ったのは同省のコロナ対策の結果。ワクチン接種は最重要戦略だから、現在の歩みを続けよう」と語った。
 同省によると、既に配布されたワクチンは2億3千万回分を超え、初回接種には1億2700回分、2回目の接種か1回でよいワクチンの接種では5840万回分が使われたという。

 だが、新規感染者や死者の減少だけで安心できない。オズワルド・クルス財団(Fiocruz)によれば、15~21日(感染学上の第33週)は重度の呼吸器系疾患の患者減少が止まり、長期的に見るとリオ、リオ・グランデ・ド・ノルテ、セルジッペなどの9州と、リオ市やサンパウロ市を含む11州都で増加傾向が見られたとの報告が26日にあった。重度の呼吸器系疾患患者の98%はコロナ感染症患者で、昨年の数字を見直した結果、コロナの死者は最低61万3千人だという。保健省統計の死者は26日現在で57万7565人だ。
 リオ州やリオ市での増加傾向はデルタ株感染の増加が最大圧力で、26日にはリオ市の主要なコロナ対応の病院で救急車が列をなし、入院者数が今月の新記録を更新と報じられた。
 また、25日にはサンパウロ市の新規感染者(8~14日)の43・50%はデルタ株で累計405人となった上、53・58%だったガンマ株との差縮小との報道。26日にはサンパウロ州セラーナ市で2人目のデルタ株感染確認、アララクアラ市でもデルタ株患者7人といった報道が続き、同株の感染拡大が確認されている。
 また、感染者数全国2位のミナス州でも、26日現在のデルタ株感染者が101人となり、17日の20人から急増している。現在の新規感染者は同株が中心だ。
 保健省によると、24日現在のデルタ株感染者は16州と連邦直轄区で1405人で、17日現在の15州と連邦直轄区で1051人比で33%増加。死者も41人から50人に21%増えた。