山田彰特命全権大使は8月13日に来社し、東京五輪や日本の現状について語った。まず東京五輪2020について「最大の功績は『克服』。コロナ禍で多くの課題があったが、日本の団結力と努力で『克服』し無事開催されたこと。それが今回の五輪の象徴と考えています」と総括した。
さらに「東京五輪で世界中の選手やメディア、観光客を受け入れ競技だけでなく人的・文化的な交流を行うことを日本は夢見ていましたが、コロナ禍で無観客試合が中心で選手も選手村内での生活が基本になりました。ですが、この五輪委員会に関わる人が努力したことで実現した。その結果、オリンピックは大きな事故無く終えることができた。また、テレビの前での観戦していた人もオリンピックが無事開催されたことに感動した日本人は多いと思います」と開催を称えた。
加えて、「開催前には批判も多くありましたが、オリンピック終了後は国民の65%が『開催してよかった』と感じています。同時に、IOCや選手、海外メディアから開催に対する称賛の声をたくさんいただいています。続いて開催されるパラリンピックも日本に取って重要なイベントになるでしょう」と述べた。
一方で、7月中旬から日本で急増したコロナ感染者数について「日本は第5波が到来し、感染対策やワクチンなどの徹底が必要です。ただし世界的にみると日本はまだ少ない。これ以上増えることが無いように願っています」と注意喚起した。
かねてから言及されている四世ビザの条件緩和については、日本政府は日本語能力試験N4を取得要件としていたが、最も基本的なレベルのN5以上に今年緩和した件に関し、「日本語能力試験以外にも取得の壁があることは認知しています。その部分も将来的に緩和される可能性もあります。ただ、現在はパンデミックで人的交流や国の横断は制限されているので、当分は難しいと思います」と理解を求めた。
最後に「パンデミックはもう少し我慢しないといけません。ブラジルも日本もワクチン接種が日々進んでおり、状況は改善されています。引き続き皆で頑張りましょう」と呼びかけた。