ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》フォーリャ紙が衝撃の録音内容を暴露「大統領のことバラせばお仕舞」暗殺請負集団の元締めと?=マリエレ事件関連の会話で

《ブラジル》フォーリャ紙が衝撃の録音内容を暴露「大統領のことバラせばお仕舞」暗殺請負集団の元締めと?=マリエレ事件関連の会話で

ジュリア氏とアドリアーノ氏(Twitter)

 ボルソナロ大統領一家と近しい関係にあったとされ、昨年2月に警官に射殺されたミリシア(民間武装組織)のアドリアーノ・ダ・ノブレガ氏。その未亡人ジュリア・ロトゥフォ氏の現在の夫が「殺害請負集団の元締め」とされるベロ氏と「もし彼女が報奨付証言でボルソナロ大統領のことを話したら彼女の命は終わりだ」「そんなことはさせられない」などと話していたことが明らかになった。ジュリア氏は7月に連邦警察で、2018年3月にマリエレ・フランコ元リオ市議を殺害した真犯人に関する報奨付証言を行っていた。30日付フォーリャ紙などが報じている。
 この録音の存在は、8月24日にサイト「ブラジル・デ・ファト」によって明かされた。録音の内容は、ジュリア氏の現夫でオリーブオイルの輸入販売会社社長のエドゥアルド・ジラルデス氏と、エスコーラ・デ・サンバ「ウニードス・ダ・ヴィラ・イザベル」元会長で賭博師のベルナルド・ベロ・バルボーザ氏との間で6月に交わされたものとされている。これをフォーリャ紙が確認後、30日に自紙でも報じ、大きな反響を呼んでいる。
 ジラルデス氏は、アドリアーノ氏を殺されてから8カ月後の昨年10月にジュリア氏が電撃結婚した相手で、アドリアーノ氏に多額の借金を負っていたとされている、また、アドリアーノ氏が容疑者として逃走中、資金を提供していた疑いが持たれている。ジュリア氏はジラルデス氏と、すべての資産を共同分割することを約束して結婚している。
 一方のベロ氏は、ジュリア氏が7月にリオ州検察局に報奨付証言を行った際、アドリアーノ氏自身が所属した殺害請負集団「エスクリトーリオ・ド・クリーメ」の元締めと名指しされ、マリエレ氏の殺害依頼を請け負ったとされた。

 今回みつかった録音での会話は、ジュリア氏が報奨付証言を行うことが決まる前に録音されたと考えられている。ジュリア氏は殺害請負集団との関連で資金洗浄を行った容疑で3月に逮捕状が出され、4月から自宅軟禁中だった。また、ジュリア氏がベロ氏を告発する可能性は、この会話が行われる前から噂されていた。
 この会話の中で、ジラルデス氏とベロ氏の2人はボルソナロ大統領に言及している。最初にベロ氏が、「検察はジュリア氏が『(ジャイール・)ボルソナロ氏のことを話すかどうか』には興味があるだろうな」と語ると、ジラルデス氏が「彼女はボルソナロ氏のことは話さないよ」と答えた。それに対しベロ氏は「彼女が大統領のことを知っていれば話すだろう」と続けた。
 するとジラルデス氏は「もし大統領のことを知っていたとしても、彼女には話させやしない」と答えた。これに対しベロ氏が「もしボルソナロ氏のことを話したら、ジュリアの人生は緑と黄色と青と白と共に終わるな」と話すと、ジラルデス氏は「俺のもな」と答えた。緑と黄色はボルソナロ氏の選挙カラー。青と白はベロ氏が会長をしていたエスコーラ・デ・サンバのチームカラー。
 現時点ではジュリア氏が報奨付証言で大統領の名前を出したとは報じられていないが、証言後、元リオ市議のクリスチアーノ・ジロン氏がマリエレ氏殺害命令容疑で逮捕されている。
 ジュリア氏は、彼女やジラルデス氏にかけられている嫌疑による実刑判決を避け、二人で国外に脱出するために報奨付証言を行ったとされている。
 アドリアーノ氏の一家は大統領長男フラヴィオ上議と関係が深く、フラヴィオ氏がリオ州議時代に行った疑いが持たれている「ラシャジーニャ疑惑」でも、ファブリシオ・ケイロス容疑者へ給料の大半を支払っていとされる幽霊職員の中に、ジュリア氏とアドリアーノの母親の名前が含まれている。