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パラグアイ=イグアス移住地入植60周年=記念慰霊祭をしめやかに=「原始林拓き日本人の憩いの場へ」

参列者による献花

参列者による献花

 パラグアイのイグアス日本人会(比嘉正勝(ヒガ マサカツ)会長)による入植60周年記念慰霊祭が、去る8月22日午前8時から、イグアス日本人会墓地において約60人が出席してカトリック式により執り行われた。
 節目の年だけに、本来なら250人程度集まる盛大な式典を予定してた。だが、パンデミックにより不可能になり、行政が定めたプロトコールに従って、人数限定の慰霊祭だけが開催されることになった。
 当日は、日差しもずいぶんと暖かくなり、新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、社会的な距離やアルコール消毒、体温測定をした上で開催した。カンジド・ゴンザレス暫定市長、シロ・ゴンザレス市議会議長、警察署長、工藤忠利農協組合長、日会員、移住地建設に貢献のあった人たちの遺族らが列席した。
 慰霊祭では、越智直紀神父によってキリスト教の祈祷が20分ほど捧げられ、「招魂」と書かれたモニュメントに向かって、比嘉会長は追悼の辞で、「祖国日本を離れ未開の原始林を切り開き日本人の憩いの場を築こうと夢を描き苦難の中、喜びを分かちあう為に日本人会設立し活動された先輩に感謝をしたいと思います。この移住地の歴史の中で、志し半ばにしてお亡くなりになられた方々の無念とご遺族のご心情を察しますと、今更ながら愛惜の思いに堪えません」などと語った。
 最後に参列者が一人ひとり献花をし、静かに手を合わせた。
 1時間ほどで慰霊祭は終わったが、同墓地は終日、参列者のために開放され、日没までに数十人分の献花が供えられていた。
 移住地入植初年に日本人の子どもが亡くなったことから、60年前にこの墓地も作られた。当初はJICAが管理していたが、その後、日本人会に移管された。日系移住地から始まったこのイグアス市には現在1万2千人が在住。この墓地しかないので、一般のパラグアイ人にも提供しているという。