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毎日新聞支局長=山本氏帰国へ=コロナ禍でもファベーラ等取材

山本さん

山本さん

 毎日新聞社サンパウロ支局の山本太一支局長(41歳、愛媛県)が10月から埼玉支局へ異動するにあたり、8月31日、帰国挨拶に来社した。
 山本さんは2017年9月に支局長として赴任。前任者の朴鐘珠支局長に続く2代目の支局長だ。駐在員としてはブラジル初赴任だが、2000年頃にブラジル日本交流協会の制度を通じてマナウスで1年間研修した経験を持つ。
 4年間のうちで最も印象深かった出来事を尋ねると、山本さんは「コロナ禍のブラジル」をあげ、「以前からあった貧困格差問題がコロナ禍でより顕著となった」との印象を語った。
 聖市最大級のファベーラの一つ、パライゾポリス地区等への取材を重ねたという山本さん。富裕階級が集まるモルンビー地区のすぐ隣に位置し、推定人口10万人という一つの市ほどの規模を持つ巨大貧民街だ。
 「ボランティア組織もあり、自分たちで寄付を集めて食糧の配布や、コロナの感染拡大を抑える取り組みをするなど自助努力が強いと感じた」と感心した様子を見せた。同地区などが主力になって国内最大級の10大貧民街住民が協力し、「G10銀行」を発足させるなど独自の取り組みを見せるコミュニティだ。
 ただし、パンデミック後は思うように取材にいけず、「感染リスクと現場取材の重要性を天秤にかけながら」という葛藤の日々だったと振り返った。