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《サンパウロ市》アストラゼネカ製ワクチン消える=40〜50代の2回目接種に影響

アストラゼネカ製ワクチン(Helia Scheppa)

 サンパウロ市では9日からアストラゼネカ(AZ)社のコロナワクチンの不足が急速に深刻化、10日には完全に底をついて、接種予定日の人が2回目のワクチン接種ができなくなる事態が起こっている。9、10日付現地紙、サイトが報じている。
 AZ製ワクチンがサンパウロ市で不足しはじめていることは今週に入って指摘され始め、9日には「市内535の接種会場のうち90%で接種不能」と報じられた。また、10日には接種可能な会場が20カ所に減り、ほどなくして「99%で接種不能」となった。
 リカルド・ヌーネス・サンパウロ市市長は10日に会見を行い、「来週まで市内で34万人分のAZ製ワクチンの接種が遅れることになる」と語った。
 ヌーネス市長は、ファイザー社のワクチンを2回目の接種に代用することを勧めたが、同ワクチンも87%の会場で接種ができないほど減っており、代用は難しい状態だ。

 AZ製ワクチンの生産を担当しているオズワルド・クルス財団(Fiocruz)は3日、8月中に受け取るはずだった有効成分(IFA)の到着が遅れ、「2週間ほど、連邦政府に届けられるものがない」との声明を発表していた。Fiocruzが次にIFAを受け取るのは14〜17日だと言われている。
 サンパウロ市では6日から59歳以下のアストラゼネカ、もしくはファイザーの接種者の2回目の接種が組まれているが、来週まで調達できない場合、17日が接種予定日となっている47歳までの人たちが2度目の接種を受けられない可能性が生じている。
 このワクチン不足に関して、サンパウロ州は「連邦政府からの配送が遅れているからだ」としているが、保健省は「サンパウロ州が、本来は2回目の接種用に回すべきだったワクチンを1回目の接種に使ってしまったために不足が起きた」と反論するなど、サンパウロ州と連邦政府の見解に矛盾も見られている。
 ドリア知事は10日、保健省には9日にAZ製ワクチンの追送を要請しており、14日までに100万回分のワクチンを受け取れなければ、最高裁に訴えると明言した。

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 サンパウロ市の保健所などでアストラゼネカ製ワクチンが不足している。50代前半から40代の人にとっては、12週間もの間、コロナ感染を気にしながら待たされ、やっと2回目の接種が打てると思っていた矢先にだった。接種対象者は接種予定日に受けられるかどうかも含め、ここ数日はサンパウロ市保健局からの情報に常に注意する必要がありそうだ。