建設大手OAS社元社長のレオ・ピニェイロ氏が今年5月に、ルーラ元大統領(労働者党・PT)の疑惑の一部の件に関し、虚偽証言を行っていたことを認める手紙を直筆で書いていたことが明らかになった。15日付現地紙が報じている。
これはグローボ紙のサイトが14日に報じて明らかになったもの。この前日の13日にはサンパウロ州地裁が、OASがコスタリカ政府相手の事業での有利な計らいの見返りにルーラ氏の同国での講演を協賛したとの疑惑の訴訟を却下していた。
今回明らかになった手紙は、この訴訟に関してピニェイロ氏が書いていたものだ。この中でピニェイロ氏は、「OASはコスタリカの事業に関して、中央アメリカ経済統合銀行(BCIE)からの融資で便宜を図ってもらったことはない」「訴状で言及されているような支払いを認めたことはないし、ルーラ氏がOASに便宜を図った見返りを受け取ったこともない」「この事業に関して、ルーラ氏がBCIEに口を利いてくれたかも知らない」などと書いている。
ピニェイロ氏は当時、コスタリカへの旅行中、ルーラ氏にBCIE頭取との会合を開いてもらうよう頼んだとしていた。また、それに対し、ルーラ氏は、(当時の大統領の)ジウマ氏や(当時の計画相の)パウロ・ベルナルド氏と共に、BCIE内でのブラジルへの比重を高めるよう働きかけると約束したと証言していた。だが、今回の手紙では、ルーラ氏がジウマ氏やベルナルド氏と話し合ったかさえ知らないと記している。
ピニェイロ氏は、ルーラ氏が2018年4月に実刑を受け、同年の大統領選出馬を断念する理由となった「ペトロブラスとの事業請負の謝礼代わりに、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅の改築を行った」とのラヴァ・ジャット(JL)作戦裁判でデラソン(報奨付証言=司法取引)を行っていた人物として知られている。グローボ紙の報道によると、ピニェイロ氏は親しい人物に対し、この件に関しても近くデラソンを否定したいと考えているともらしていたという。
この報道のあと、PT関係者はこぞって、ルーラ氏に一審で有罪判決を下したセルジオ・モロ連邦地裁判事(当時)や連邦検察庁パラナ州支部のLJ主任(当時)のデルタン・ダラグノル氏が「ピニェイロ氏にルーラ氏が不利になるように証言させた」との説を主張している。
PT党首のグレイシー・ホフマン氏は、ピニェイロ氏が2016年に行ったデラソンで、ルーラ氏が不関与としたことでデラソンが認められなかったこと、ルーラ氏の有罪が認められた直後にピニェイロ氏の実刑年数が大幅短縮されたことなどを指摘している。