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《ブラジル》経済省がインフレ見込みを上方修正=来年の最賃は1192レアルに?

 経済省経済政策局が16日、全国消費者物価指数(INPC)による今年のインフレ予測を6・2%から8・4%に引き上げたと同日付現地サイトが報じた。
 INPCは最低賃金(以下、最賃)の算定時に使われる物価指数で、憲法では最低でも同指数分の調整を行う事を定めている。だが、今年の最賃額1100レアルはINPCが5・45%だったのに対し5・26%の調整で、憲法に沿わないものとなっていた。
 このため、経済省は8月に22年度予算案を提出した際、今年末に来年の最賃額修正のための暫定令を出す際、21年の最賃額の未調整分(1・95レアル)も含めた金額で22年の最賃額を定めると約束していた。
 8月に提出された22年度予算案は、最賃額を1169レアルに設定しており、諸方面から実態に即していないとの声が出ていたが、今回のINPC見直しで、22年度の最賃額は1192・40レアルとなる見込みが出てきた。

 最賃額は国立社会保障院(INSS)からの年金受給者2400万人など、計5千万人の所得に直接的な影響を与える。逆を言うと、最賃額が上がると政府負担もそれだけ増える事になる。経済省によると、最賃額が1レアル上がると、連邦政府の負担は3億5500万レアル増すという。
 だが、現在の最賃額は物価上昇分の調整であるため、消費者にとっては実質的な上昇はない。19年までの最賃額はインフレ率+国内総生産(GDP)成長率で算定されていたが、現在の最賃額はINPCだけを基準に算定されている。
 経済省は今年のGDPは5・3%、来年は2・2%の成長と見ている。