最高裁のリカルド・レヴァンドウスキー判事は21日、上院憲政委員会(CCJ)のダヴィ・アルコルンブレ委員長に対し、ボルソナロ大統領から最高裁判事候補として指名されたアンドレ・メンドンサ氏の口頭試問(サバチーナ)を行わないことについての説明を求めた。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
レヴァンドウスキー判事の判断は、アレッサンドロ・ヴィエイラ(シダダニア)、ジョルジェ・カジュルー(ポデモス)両上議が16日に最高裁に訴えたことに応えたもの。
訴状によると、大統領が7月13日にメンドンサ氏を最高裁判事に指名し、8月19日には憲政委員会にもその意向が伝えられていた。にもかかわらず、アルコルンブレ氏は指名承認に必要な上院でのサバチーナを開こうとしていないとされており、サバチーナを行わない理由を10日以内に説明するよう求められている。
メンドンサ氏はボルソナロ政権の国家総弁護庁(AGU)長官を務めた後、法相に任命された。その後、同氏を最高裁判事に指名する準備として、再度AGU長官に任命された。同氏はボルソナロ氏がしばしば強調してきた「筋金入りの福音派」。司法界での実績もあるが、法相時代に自身の基盤である福音派人脈で法務省を独占しようとした行為などが上院で嫌われている。
上院で投票になった場合、承認に必要な過半数(41票)を超えるかどうかが疑問視されている。
メンドンサ氏自身のことに加え、ボルソナロ大統領が9月7日の独立記念日に反最高裁デモを支持者に煽ったことも上院では強く問題視されている。同デモが起こる頃から、「これでメンドンサ氏の最高裁行きが絶望的となった」との見方も強まっていたと報じられている。
こうしたアルコルンブレ上議の態度にしびれを切らせた福音派の指導者達は、アルコルンブレ氏がメンドンサ氏を最高裁判事にするよう動かないのであれば、次回のアマパー州の上院選で、福音派の支持者に働きかけ、アルコルンブレ氏には投票させないようにすると脅しをかけ始めている。
アルコルンブレ上議は22日、メンドンサ氏に関するサバチーナについて、「では、またそのうち話し合おう」と応えており、すぐには応じる気はないとする姿勢を崩していない。