国税庁が23日、8月の税収額は1464億6300万レアルで、広範囲消費者物価指数(IPCA)によるインフレ調整後も7・25%の増収となったと報告したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
この額は、1995年に統計が始まってからの税収額をインフレ調整して比べて見て最大だ。また、1~8月の累計の1兆1990億レアルも、実質で23・53%増となり、金額、伸び幅共に統計史上最大となった。
国税庁によると、8月の増収は、経済活動が回復に向かっている事と、納税日が先延ばしされていた税金の納入といった一過性の徴収が行われた事で生じたという。
経済省によると、市場関係者が予測していた8月の収税額は1341億8400万レアルだったから、8月は市場の予測を上回る額が納入された事になる。
だが、昨年8月は新型コロナのパンデミックに伴う外出規制が少し緩んで経済活動に回復の兆しが見えてきていた事や、先延ばしが認められていた一部の税金の支払いが始まった事もあり、ベースとなる額が増していたため、昨年同月比での増収率は小さかった。昨年の8月は171億レアルだった社会保障関係の負担金納入額が、今年の8月は50億レアルとなったのはその一例だ。
他方、今年8月は、コモディティの輸出に関わる大手企業による法人所得税(IRPJ)と純益に対する社会納付金(CSLL)の納入により、50億レアルという一過性の収入があった。
1~8月の一過性の収入は290億レアルで、昨年同期の28億レアルを大幅に上回った。一過性の税収には、前もって予測して払った所得税相当額よりも実際の収益が多く、差額分の所得税を払った例なども含まれる。
また、昨年の4~12月は、緊急融資金の貸付を増やすため、金融取引税(IOF)の課税率を0%としていた事も、今年の税収増の一因だ。今年8月のIOFは、緊急融資金の貸付に関するものだけで23億5千万レアルが納入された。IOF全体では34・2億レアルで、インフレ調整後も昨年同月比で342・91%増を記録した。
また、IRPJとCSLLは75億6千万レアルで、インフレ調整後も41・75%増を記録。源泉徴収分の所得税も昨年同月を上回った。
だが、社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)はインフレ調整後で昨年同月より7・91%減、社会保障関連の納付金もインフレ調整後で11・27%減となった。
PISやCofinsは正規雇用の実態を反映するため、通常なら、これらの項目の減収は雇用減を意味するが、昨年はパンデミックのために納入先延ばしが認められた分が下半期に納入され、下半期の税収額を押し上げられていたため、雇用減とは直結しない。