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JH=虹色に輝く風船アートの世界=28日から『バランス』展

虹色の輝きを放つ風船

虹色の輝きを放つ風船

 サンパウロ市のジャパンハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)は9月28日(火)から、バルーンを用いたインスタレーションやデザインを制作している日本のアーティストユニット「DAISY BALLOON(デイジーバルーン)」による『バランス』展を開催する。入場料は無料。
 作品は11月28日までの間、同館の1階(GF)で展示。バルーンアーティスト・細貝里枝さんとアートディレクター兼グラフィックデザイナーの河田孝志さんによる同ユニットの作品展の開催は南米では初めて。
 同展で展示される作品は幅11メートル、高さ3メートルに及ぶ大型インスタレーションで、使用される風船は九千個以上。使用される風船の数もさることながら、使用する風船も今回の展示のために横浜風船株式会社と共同開発されたものを使用しているという。
 この風船の外面には積層偏光フィルム加工が施されており、作品に光をあてるとオーロラのような輝きが展示会場の床や壁に反射して幻想的な空間が作り出される。
 エリック館長は「本館は芸術だけでなくスポーツや食など通じて日本文化を発信しています。今、聖市ビエンナーレが開催中で、出展している毛利悠子さんの展示とあわせて日本の芸術にも注目があたる中で両展の開催は非常に光栄です」と開催の喜びを表した。
 同展キュレーターのナターシャ・バルザギ・ジーネン企画担当局長は「この作品は自然界における水循環を着想させる作品です。風船で雨粒や降雨、蒸発して雲になる様を表現しています」と解説する。
 有機的な形と人工素材によって生み出されたコントラストが視覚的に強いインパクトをもたらすだけでなく、導線に沿って作品の間を巡ることにより、視覚だけでなく作品を「体感」できるものになっているという。

作品の中に入って鑑賞できる

作品の中に入って鑑賞できる

 ナターシャ企画担当局長によると「風船は自然に少しずつしぼんでいきます。この繊細な変化を体験することによって普段とは違う時間の流れを感じる事ができるでしょう」と説明する。
 デイジーバルーンは2008年にバルーンアーティストの細貝里枝さんとアートディレクター・グラフィックデザイナーの河田孝志さんで結成したユニット。大規模なインスタレーション作品や、広告ヴィジュアル、衣装まで多岐にわたり作品を手がけて来た。
 2013年にアイスランド人歌手のビヨークが日本で毎年夏に開催する野外ロックフェス・フジロック出演時、同ユニットの細貝さんに風船で作られたドレスを依頼。「DNAドレス」と名付けて着用したことで世界の注目を浴び始めた。
 開館時間は火曜日~金曜日のうち10時~17時まで。土日祭日は9時~18時まで開館。現在、新型コロナの影響により、定員数を制限している。詳しくはジャパン・ハウス サンパウロのウェブサイト(https://www.japanhousesp.com.br/ja/)から確認できる。