独立行政法人国際協力機構(JICA)が中南米日系社会と日本の連係のために実施する「日系社会研修」に、ベレンの越知日伯学園(越知恭子学園長)で日本語教師を務めるマリナ・パソス・デ・オリベイラさん(25歳)が1月28日から2月21日にかけて参加した。
彼女が研究を受けたコースは「幼児教育と日本文化活動コース」で、ビデオ会議「グーグルミート」や動画教材などオンライン上を通して実施された。
マリナさんにメール取材したところ、「研修をとても心待ちにしていました。参加して本当に素晴らしい経験でした」と振り返る。研修には通訳がおり「サポートを受けながら快適に研修を受ける事が出来た」と語る。
マリナさんは大学で教育学を専攻した後、15年から教育関係の仕事に就き、2年前から見習い教師として教鞭をとる。「ブラジルには様々な修士課程がありますが、教育は社会形成や個人形成を手助けできる分野だと思い教師をめざしました」と語る。
同研修にはマリナさんのほか、現在小学4年生と幼稚園のクラスを担当している教師歴7年目のメリッサ・エミリア・シマブクロさん(三世、26歳)がアルゼンチンから参加した。
この日系社会研修は元々日系人や日本人を対象に研修生を募り実施していた。2018年頃からは非日系にも対象を広げ、19年1月6日から2月8日に実施した「婦人部活性化の研修」にはギルマラ・コンセイソン・ダ・シルバ・バレット・セリタさんが参加。
別分野では2019年度に「日本文化活動コーディネーター育成」に非日系人のチアゴ・ノローニャ・ボンテンポさんが参加し、ASEBEX同窓会、埼玉県人会、Ryo高知よさこい、高知県人会で活躍している。
JICAブラジル事務所の門屋篤典次長によると「日系社会や日系団体を支えている方々の中には非日系の方々も多く活動されています。日系社会の更なる発展には、非日系の方々も含めた日系社会に携わって下さっている方々への協力が必要となっているのではないか、との考えに基づき対応をしています」と説明している。
この他にもコロナ禍中にオンラインを介した遠隔研修を数多く実施しており、6次産業化、農商関連携、アグリツリーズム、地域における観光振興、音楽リハビリ・プログラム、改善と5S、起業・後継者のための経営力強化、日本文化活動コーディネーター育成、和菓子を通じた日系社会活性化、食を通じた日系団体婦人部活性化、小規模食品ビジネスの開発など幅広い。