オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が9月29日、新型コロナワクチンの初回接種を受けたが、指定日を2週間以上過ぎても2度目の接種を受けていない人は9月15日現在で11%おり、予防(感染抑制)効果を損なう可能性が懸念されると発表したと同日付現地サイトなどが報じた。
2度目の接種が遅れている人はアストラゼネカ社製15%、コロナバック32%、ファイザー社製1%。ファイザー社製の接種遅れが少ないのは、同社製ワクチンは5月からしか使われておらず、被接種者数が少ない事も関係がありそうだ。
2度目の接種が遅れている人の割合が最も高い州はセアラーの33・0%で、バイア18・8%、リオ16・5%と続く。最低はリオ・グランデ・ド・ノルテの5・4%で、マット・グロッソ5・7%、パラナ6・1%と続く。人数最多はサンパウロ州の125万4229人(9・0%)で、リオ95万6904人(16・5%)、バイアと続く。
2度目の接種を行わないと抗体量が不十分な上、減少や消滅の可能性が高まる。そうなれば、個々人の感染や重症化を防げなくなるだけでなく、域内の接種者が増える事で未接種者への感染を防ぐ防壁効果も薄れる。
接種が遅れている人の存在は各自治体の防疫対策にも影響するため、サンパウロ州は2日を2度目の接種が遅れている人向けのVデーとし、5千以上の会場で対応する。対応時間は7~19時となっている。
また、予防接種の感染拡大抑制効果は短時間かつ大勢に集中的に行うほど高いため、サンパウロ市では9月24日からファイザー社製ワクチンの接種間隔を8週に短縮。リオ市は9月28日、ファイザー社製ワクチンの間隔を21日にすると発表した。
ただ、新型コロナの感染者や死者は9月7日以降、減少からやや増加に転じており、2度の接種を終えても気を許してはならない。
また、コロナ禍に伴う外出規制などで、BCG、黄熱病などの3種混合、成人向けの2種混合などの予防接種暦を守れずにいる人が増えており、新型コロナ終息後に予防接種で抑制していた病気の流行が起こる可能性がある。
さらに、サンパウロ州では上半期のデング熱患者が昨年の年間患者の3倍以上と報告され、年頭のマラリヤ患者が昨年同期の4倍になった州もあるなど、蚊対策も忘れてはならない。