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《ブラジル》家賃調節用物価指数でデフレ=2020年2月以来初めて

月ごとのIGP―Mの推移(9月29日付G1サイトの記事の一部)

 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が算定し、家賃の調整用に使われる総合市場物価指数(IGP―M)が9月に0・64%のデフレを記録。これによって1~8月の累積は16%高、直近12カ月間の累積では24・86%高となったと9月29日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。昨年9月のIGP―Mは4・34%高で、12カ月間の累計は17・94%高だった。
 9月のデフレは8月に続く鉄鉱石価格の低下が主な原因で、7月0・78%高、8月0・66%高と続いた減速傾向に拍車がかかった。IGP―Mがデフレとなったのは2020年2月以来で、2019年8月のマイナス0・67%に次ぐ小さな数字となった。
 ただし、FGVのブラジル経済研究所(Ibre)で物価指数集計の責任を負うアンドレ・ブラス氏は、鉄鉱石価格の低下がなければ、8月のIGP―Mは2・37%高、9月も1・21%高だったはずとしており、インフレ自体は高止まりしている。
 IGP―Mは、卸売物価指数(IPA)60%、消費者物価指数(IPC)30%、全国建設コスト指数(INCC)10%で構成されており、9月のIPCは8月の0・75%を上回る1・19%高を記録していた。同指数を構成する項目の中で最も値上がりしたのは居住費の1・05%で、電気代が5・75%あがったのが響いた。電気代は8月も3・26%上がっており、庶民の懐を圧迫している。

 教育、読書、レクリエーション費が0・53%から1・85%、交通・輸送費が0・76%から1・31%、通信費がマイナス0・11%から0・21%、その他の経費が0・19%から0・28%、被服費が0・29%から0・31%、ガソリン代が1・55%から2・77%、電話、インターネット、有料TVの経費がマイナス0・26%から0・42%、タバコ代がマイナス0・12%から0・48%、被服関連のサービス費が0・12%から0・78%にと、物価の上昇幅が拡大している。
 ただし、食料品は1・17%から1・10%、健康保険・介護費が0・42%から0・38%と、上昇幅が縮小した。特に、葉野菜類は5・42%から1・57%、個人用の衛生用品は1・06%から0・67%にと大幅に減速した。
 IPAは1・21%のデフレを記録した。8月のIPAは0・66%高だった。
 また、INCCは8月と同じ0・56%高を記録。資材や機械は1・17%から0・89%、サービスは0・78%から0・56%に減速したが、人件費は0%から0・27%にと加速した。