新型コロナのパンデミックにより、国際的なチップ不足が起き、車や携帯電話の生産に影響が出ている事は周知の事実だが、事態はますます深刻化しており、カード業界でも影響が出始めていると20日付現地紙、サイトが報じた。
電子機器の発達、普及はチップの需要を急増させたが、新型コロナのパンデミックで昨年来、世界的な規模でチップ不足が起き、ブラジルでも自動車メーカーが軒並み、集団休暇採用などで生産調整を行う必要に駆られた。
新車の生産が期待値を下回っているため、ブラジルでは、国内を走る車の使用年数が伸びたり、レンタカー会社が中古車を探し回ったりする事態も起きている。
同様の問題はバイクでも起きており、集団休暇やレイオフの採用、コロナ禍で増えた配達業での需要などに応える事が困難など、問題が増えている。
また、携帯電話でも、生産や納品が間に合わないという事態が起き、店頭に出回る商品数が減少している店もある。
ブラジルでチップ不足の問題が表面化してきたのはこれらの業界に限らず、20日にはカード業界も深刻な状況に直面し始めたと報じられた。
ブラジルのカード需要は年毎に拡大しており、現在は年間2兆レアルが動いている。カード業界では通常、3カ月分のチップの在庫を抱えていたが、現在は在庫が底をつき、新しいカードが消費者の手に届くまでに1カ月を要するほどになっているという。
新たなカードの発行が滞れば、銀行の自動預け払い機の使用やカードでの買物にも支障を来たすため、種々の支払いや消費活動にも問題が生じる可能性がある。
世界的なチップ不足は2023年まで続くとする専門家もおり、問題は長引きそうだ。