燃料費の高騰とレンタル料金の値上がりなどで商売が成り立たなくなり、賃貸車両を返却するアプリタクシーの運転手が増えていると20日付Bandサイトなどが報じた。
ブラジルレンタカー会社協会(Abla)によると、アプリタクシー用に貸し出していたが返却された車両数は、ここ4カ月間で3万台に及ぶ。返却車両最多はサンパウロ市で、約30%を占めているという。
サンパウロ市のアプリタクシー運転手は約54万6千人とされているが、同業界の関係者によると、採算が合わずに営業を停止したアプリタクシーの運転手は少なくとも20%いるという。
ファビオ・ソウザ氏もその一人で、燃料費の高騰とUberに納める料金、家庭内での必要経費などで財政状況が悪化。9月はじめに借りていた車を返却した。現在は失業中で、路上で飴を売りながら家族を養う方策を探しているという。
Ablaによると、現在もアプリタクシーとして使うために貸し出している車両は20万台あるが、営業継続を諦めて返却される車は年内に5万台に達すると見ている。
アプリタクシーの利用はコロナ禍で増えたが、最近は、呼んでもなかなか来ない、待っていたらキャンセルされた、料金が高くなったといった苦情も増えている。
アプリ運営会社は運転手不足を否定するが、アプリタクシーの運転手達の協会では、仕事を辞める運転手が増えている事を認めている。
レンタカー業界では外出規制強化で需要が減った際に所有車両を売ったため、規制緩和で需要が回復し始めても貸せる車がなく、賃貸料を値上げした会社もある。この事もアプリタクシーの運転手の営業継続を困難にした要因の一つだ。
通常のタクシーでも燃料高騰は悩みの種だが、アプリタクシーの利用者が流れてきて、客が増えたという運転手もいるようだ。
★2019年5月9日《ブラジル》一部のUberドライバーがスト=運賃値上げなどを求め
★2018年3月28日《ブラジル》Uber法=拒否権行使なく裁可される=アプリ運営会社は歓迎の姿勢
★2017年11月2日《ブラジル》上院議会=Uber規制法を緩和の上承認=「利用者の声届いた」と各社=修正受け、下院で再審議へ