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《ブラジル》フォーカス=基本金利や物価の予測が上昇=歳出上限突破で拍車かかる?

今年の基本金利は8・75%で終える見込みと報じるモニトールメルカンチル・サイトの記事の一部

 連邦政府が新社会保障制度アウシリオ・ブラジルを11月から導入するために、歳出上限規制を外そうと画策した事などを受け、インフレ高進が懸念される中、25日発表の中銀の経済動向予測調査「フォーラム」では経済基本金利(Selic)の予想が上方修正されたと同日付現地サイトが報じた。
 年末時点の基本金利の予想値は、8・25%から8・75%に上方修正された。現在のSelicは6・25%だが、市場では今週の通貨政策委員会(Copom)で1・25~1・5%ポイント(P)引き上げとの声も出ている。
 来年末の予想値は9・5%だが、市場では一時的に11%台に達するとの見方もある。23年は7%、24年は6・5%と予想されている。
 市場関係者はインフレ予想も上方修正した。インフレ予想引き上げは29週連続で、8・69%が8・96%となった。来年は4・4%、23年は3・27%、24年は3・02%の見込みだ。

 今年のインフレ予想が目標上限の5・25%を超えて久しく、中銀は来年のインフレを目標値の中に収める事に注力する事になる。9月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、同月としては1994年の1・53%に次ぐ1・16%で、12カ月間の累計は10・25%に達した。
 今月も26日から燃料費の再値上げ(ガソリン7・04%、ディーゼル油9・15%)が発表されており、インフレ高進は続きそうだ。
 今年の国内総生産(GDP)成長予想は5・01%が4・97%に引き下げられた。来年の予想は1・4%で、23年2%、24年2・25%と見られている。年末時点のドル予想値は、5・25レアルが5・45レアルに引き上げられた。