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《ブラジル》コロナ禍議員調査委員会が大統領のネット禁止要求=79人と2社に起訴請求など報告書承認へ

26日のCPI(Pedro Franca/Agencia Brasil)

 26日、上院のコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)で、最終的報告書に関する討論と、報告書に対する投票が行われた。CPIが最終的に起訴請求する人数は20日に読み上げられた最終報告書より増え、この日に急きょ含められた人物も含め、79人と2企業となった。報告書に関する討論は午前10時にはじまったが、承認投票は夜になる見込みだ。26日付現地サイトが報じている。
 20日にレナン・カリェイロス報告官(民主運動・MDB)が行った最終報告の読み上げでは、「起訴請求は66人と2企業」となっていた。この時点のCPIでは、連邦検察庁による却下も懸念し、「起訴の罪状を絞る」方向で話が進められ、11件の予定だったボルソナロ大統領への罪状も9件に絞られていた。
 だが、26日の投票にかけられる報告書では、起訴要請の対象人物が79人と、13人増えた。中には26日の投票当日になって急きょ加えられた人物や案件もあった。
 報告書に加えられた変更のひとつは、アマゾナス州のウィルソン・リマ知事と同州保健局長だったマルセルス・カンペロ氏が加えられたことだ。この両者はかねてから、同州マナウスで1月に起きた医療崩壊の責任を問われていた。
 彼らの起訴要求はエドゥアルド・ブラガCPI委員が強く願ったもので、同委員は、この二人が加えられない場合、報告書に反対の票を投じると明言していた。

 レナン報告官はさらに、同CPI委員の連邦政府側からの代表であるルイス・カルロス・エインゼ上議(進歩党・PP)を加えた。これはアレッサンドロ・ヴィエイラ委員(シダダニア)が起こした要請にこたえたものだ。
 エインゼ氏はコロナ否定論者としてコロナに関する虚報を拡散していた疑惑を追及された。また、レナン上議が提出した報告書とは異なる報告書を作成し、起訴に値するような人物は誰もいないと主張していた。
 結局、CPIが起訴要請の対象とした連邦政府の現職、元閣僚は、ボルソナロ大統領やマルセロ・ケイロガ現保健相、エドゥアルド・パズエロ前保健相、エルネスト・アラウージョ前外相、オニキス・ロレンゾーニ労働社会保障相、ヴァルテル・ブラガ・ネット国防相、ヴァギネル・ド・カンポス・ロザリオ国庫庁長官の7人。
 ボルソナロ大統領には、九つの罪状が科せられただけでなく、先週木曜日のライブ配信で「英国ではワクチン接種者の間でエイズが蔓延している」とのフェイクニュースを流した責任を問われ、すべてのSNSをやめることも請求された。
 現職の連邦議員からは、大統領長男フラヴィオ上議や三男エドゥアルド下議を含む8人。その他の政治家では、大統領次男のカルロス・リオ市議を含む8人。大統領側近が4人、保健省の役職を務めた軍人が4人、保健省の局員が2人、アマゾナス州関係者が2人、カルロス・ウィザルジ氏やルシアノ・ハン氏ら、企業関係者が16人、「影の委員会」のニーゼ・ヤマグチ氏やパオロ・ザノット氏といった医師が14人、ロビイストが8人、ジャーナリストが6人の計79人となった。企業はVTCログ社とプレシーザ・メジカメントス社の2社だ。
 午後3時現在の予定では、最終報告書を承認するか否かの投票は午後6時30分からはじまる見込みだ。

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