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《ブラジル》ボルソナロ大統領が未接種のままG20へ=COP26には出席せず

ローマの空港で出迎えを受けるボルソナロ大統領(29日付G1サイトの記事の一部)

 30~31日にローマで開催されるG20サミット出席のため、ボルソナロ大統領は29日、ゲデス経済相らと共にイタリアに到着。同日はイタリアのセルジョ・マッタレッタ大統領との会談も行うと28、29日付ブラジル国内サイトが報じた。
 今回のサミットの議題は、新型コロナのパンデミック対策とその後や環境問題が中心になる予定だ。会議の議題に環境問題が挙がっているのは、サミット直後の11月1~12日に英国グラスゴーでCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)が開かれるためで、多くの首脳はG20終了後にCOPに向かう予定だ。
 今回のCOPはパリ協定後の地球温暖化防止に向けた取り組みやその実態を見直す機会だ。国連関連機関は現状では気温上昇を産業革命前に比べて2度以下に抑えるという目標達成は困難と見ており、温暖化防止は世界的な緊急課題だ。この事は9月の国連総会でも強調された。

 だが、ボルソナロ大統領は国連総会同様、G20首脳で唯一、新型コロナのワクチン未接種のまま会議に出る上、COPにも欠席する。
 COP26にはジョアキン・レイテ環境相を団長とする一行が出席するが、バイデン米国大統領が4月に開催した気候変動サミットでは不法伐採ゼロなどと約束しながら、その直後に環境関連予算を削減。
 大統領は「環境監視団体は罰金生産所」と批判し、アマゾンの森林伐採や森林火災は拡大の一途なのに「森は燃えていない」と反論したが、19~20年は温室効果ガス排出量が急増。COPのための委員会は今週設置と、批判材料が山積だ。
 COPへの大統領の参加について訊かれたモウロン副大統領は29日、「大統領は非難の的だから皆が石を投げるだろう」「会議には交渉戦略を備えた強力なチームが参加する」との言葉で、大統領不在を擁護した。

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