ペトロブラスが21年第3四半期に、予想を上回る約310億レアルの収益をあげたことがわかった。28、29日付現地紙、サイトが報じている。
ペトロブラスが第3四半期であげた収益は311億4200万レアルで、市場が予想していた収益の200億レアルを大きく上回った。昨年の第3四半期は15億レアルの減益だったので、大きく挽回したことを意味する。
利息、税金、減価償却分を差し引く前の純収益(調整後EBITDA)は607億4400万レアルで、昨年同期比で81・7%増えた。ただし、第2四半期との比較では1・9%減となっている。
第3四半期の収益は599億レアルを記録した20年第4四半期、428億5500万レアルだった21年第2四半期に次ぐもので、2015年以降で3番目に高いものとなった。同社は2014年にラヴァ・ジャット作戦の贈収賄工作疑惑で多額の損失を出して業績が悪化したが、徐々に回復に向かっていたところでコロナ禍に襲われた。
新型コロナのパンデミックが始まった昨年の第1四半期は485億2300万レアルの大減益、第2、第3四半期も減益を記録したが、この1年で好転に向かっている。
今回、ペトロブラスの収益が良かった原因はブレント原油価格の上昇だった。この四半期の原油価格は1バレルあたり73・47ドルで、前年同月期比で70・9%上昇。前四半期との比較でも6・7%上昇している。
この収益により、同社のかかえる純負債は595億8800万ドルとなり、前年同期比で25・1%減、第2四半期との比較でも6・4%減となった。
これを受け、同社は28日に株主に対する報酬の前払いを承認した。総額は318億レアルで、優待株および普通株1株あたり2・437865レアルの支払いとなる。
この金額は8月に発表された316億レアルに追加されるため、所得税法改定前に前倒しで払われる2021年度の報酬は総額634億レアルとなる。
第3四半期の収益はガソリンやディーゼルの価格が高騰し、インフレが深刻化している中で起こった。ボルソナロ大統領は今回の結果を受け、「ペトロブラスはそんなに高い収益を上げる必要はない」と皮肉り、同社の価格設定政策を批判した。