卓球クラブ「TTV MAKIUCHI」(マキウチ・カルロス会長)と高知県人会(片山アルナルド会長)は、9月11日と12日に「TTV・高知県人会フレンドシップトーナメント卓球大会」を開催した。パンデミック開始以来、日系社会のスポーツイベントとしては珍しい。
会場は聖市南部にある高知県人会館(所在地=Rua dos Miranhas196,Vila Madalena,Sao Paulo,SP)。大会は4つの部に分かれており、開催日時が異なった。
同卓球クラブと高知県人会が「第3回TTV・高知県人会フレンドシップトーナメント卓球大会」を開催したので12日に取材した。同卓球クラブは、今年から会館内のサロンを借りて卓球教室を開いており、定期的に大会も開催している。
12日当日は、約50人の選手が出場。卓球経験者で一定の評価がある選手らがシルバーカテゴリーとゴールドカテゴリーに分かれて汗を流しながら試合を行った。
同卓球クラブのマキウチ会長(51歳)はアルゼンチン国生まれの二世。両親は花屋を営んでいたという。卓球歴は約20年以上になる。15歳から20歳まで亜国で卓球の練習に打ち込んだが、20歳の時、サンパウロ市に日系企業に就職し、単身移住。21歳まで卓球を続けたが仕事との兼ね合いで一度止め、37歳から選手として復帰した。
その後、40歳の時にサンパウロ州大会・40歳以上男子の部で優勝し、日系企業を退職。現在では卓球のコーチを生業にしている。同氏は現在、同県人会とタボン・ダ・セーラの自分の教室、ピラチニンガ文化体育協会の三つの教室で、合計約100人ほどの生徒に日々卓球を教えている。
マキウチ会長に卓球の動向を聞くと、「卓球は昔は日系人、特に一世・二世が多かったですが、現在はブラジル人も増え有名選手もでてきています。肌感覚では日系人とブラジル人で半分半分ではないでしょうか? 日系人が普及に務めた影響が大きいです。あと近年の動向だと東京五輪の影響もあり、ブラジル人も卓球に興味を持った人も多いですね」と語る。
さらに、「コロナで一時少し生徒は減りましたが、自粛緩和と共にまた復帰する生徒も増えています。こういった大会は、今年に入りやっと開催ができるようになりました。この大会でプレーしている選手達をみたらわかりますが、自粛していた時間を取り戻すかのように、皆さん汗を流してハツラツと楽しんでいます。その姿をみるのもすごく嬉しく開催してよかったと毎回感じますね。卓球を教え続けるのもそれが理由の一つです」と語る。
県人会の片山会長は、「この大会は、マキウチさんから提案していただき、早くも3回目を迎えました。県人会としても場所を借りてくれて本当に助かっています。もっとコロナ禍が収束したら『第一回ブラジル高知卓球大会』なんてのも一緒に開催したいですね」と笑顔で語った。