在マナウス日本国総領事館(荻野正裕総領事)は10月18日、アマゾナス州パリンチンス市にて、対ブラジル国草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「リョータ・オヤマ州立小学校運動場整備計画」の供与式を同校の父兄教師コミュニティー団体との間で実施した。
519・71平米の運動場が建設され、同校における体育の授業環境が改善された。式典には同市のビ・ガルシア市長やマテウス・アサヤギ市議会議長、アナ・マリア・アラウージョ州教育局長代理、教師、生徒、地元日系社会の代表者なども参加した。
挨拶で荻野総領事は「当地のジュート産業に貢献した尾山良太氏の功績を永続的に伝える役目を担う同校の教育環境改善を支援出来たことは光栄です」と喜びを表した。さらに「日本は教育を重視し、人的資源を開発して発展してきました。本件協力は同理念を踏まえ実施しました。本案件を通じ、日本とアマゾナス州、パリンチンス市との関係がさらに深まることを期待します」と挨拶した。
オザナ・リマ同校父兄教師コミュニティー協会会長は、「ご協力頂いた全ての皆様に感謝します。本日は生徒、教師、特に感染症で亡くなった教育者を含む関係者の長年の夢が実現した日です」と念願が叶った喜びを表した。
生徒代表は「これまで炎天下の中、ひび割れた地面の上で怪我する危険に晒されながら授業等を行ってきました。運動場ができ、今後は体育の授業や学校行事を快適に実施出来ます」と声を弾ませ、日本語で「みなさん、ありがとうございます」と感謝を述べた。
アラウージョ州教育局長代理は「日本政府と教育局は州都マナウス市内では数々の提携を行ってきましたが、本案件は地方では初の取り組みで、極めて意義深い」と日本との関係強化に期待を寄せた。
ガルシア市長は「人々の生活の質を向上させるのは教育のみ。同校の運動場は基礎教育の環境改善だけでなく、子供たちを暴力や麻薬から守るためにも重要な役目を果たします。総領事館やパリンチンス日伯協会のような協力機関を得ることは貴重であり深謝します。」と挨拶した。
アサヤギ市議会議長は「日系社会は当市で非常に重要な役割を果たしています。特にパリンチンス日伯協会のエリゼウ・イノマタ会長の当地における日本文化継承への貢献は顕著です」と現地日系社会を説明した。