10月はじめに世界中で物議を醸したパンドラ文書で、家族が関与する企業の売却との関連で利益相反の可能性があることが判明したセバスチャン・ピニェラ大統領の罷免審議を、チリの下院が9日に行って承認した。9日付現地サイトが報じている。
下院で行われた投票では、78人が罷免に賛成、67人が反対、3人が棄権という結果だったが、罷免を承認するのに必要な78人に達したため、下院での罷免が決まった。
あとは、上院での投票で43人中29人が賛成すれば罷免が成立することになる。
ピニェラ氏の任期は2022年3月までだが、次期大統領選はこの21日に一次投票が行われることになっている。
ピニェラ氏は2019年10月の首都サンチアゴでの地下鉄デモに端を発する民衆暴動以降に支持率を急降下させており、現在の支持率は15%ほどだ。次期大統領選では後継候補のセバスチャン・シチェル氏が出馬するが、世論調査で4位に甘んじている。
先週発表された世論調査では、国民の60%が同大統領の罷免に賛成しているという結果が出たが、現時点では、現在の上院は与党が過半数を占めており、新たな敗北の可能性は小さいとの見方が出ているようだ。