保健省が16日、新型コロナの接種完了者への補強接種対象を、接種完了から5カ月を過ぎた18歳以上の全員に拡大すると発表したと同日付伯字サイトが報じた。
この方針変更は全ワクチンで時間と共に免疫力低下という研究結果を受けたもの。補強接種用のワクチンも「違う種類のものが望ましい」とするのみで、ファイザー社製に固執しない方針を明らかにした。
英国での研究によると、ファイザー社製ワクチンの免疫力は接種完了から1カ月後は88%だったが、半年後は74%に低下。アストラゼネカ社製も、完了直後の77%が5カ月後は67%に落ちた。
ブラジルでは、接種開始当初は唯一利用可能だったワクチンで、接種間隔が短いために接種完了も早かったコロナバッキの接種完了者の死亡などで、同ワクチンへの信頼性を疑う人が出ていた。だが、全てのワクチンの効果が時間と共に落ちる事は、当初から言われていた。
ヤンセン社製ワクチン接種者は2カ月以上経ったら2度目の接種を受ける事ができる。同社製ワクチンの接種は6月に始まったから、既に2度目の接種の対象者がいる。
ただし、補強接種の実施には保健省からのワクチン補給が必要なため、段階的な適用となる。
国家予防接種計画の対象外の5~11歳児への接種に関しても、ファイザー社が12日に国家衛生監督庁(Anvisa)に同社製ワクチンの使用許可申請を行った事で、年内開始の可能性が出てきた。審査期間は30日間だが、早めに許可が出る可能性がある。
12歳以上への予防接種は続いており、接種完了者は人口の59%に達した。だが、接種率の差ゆえか、ピアウイ州では16日、コロナ感染症者用集中治療室(UTI)が満杯となった。同州の7~13日の死者は前週比で53・8%増の20人で、15~16日も10人が死亡している。
他方、リオ市では15日、新型コロナ対応の中心だった市立ロナルド・ゴザラ病院のUTIで最後の患者が退院。同市では全市民の75・1%が接種を完了。同日の入院者はUTI27人、一般病室14人に減った。
種々の規制緩和のためか、7~13日の全国の感染者は前週比で13・2%増の7万9514人、死者は8・3%増の1834人だった。先週は感染者が前週の倍以上だった州がゴイアス、セアラ、北大河、アクレの四つ、死者が倍以上だった州がセアラ、マラニョンの二つあった。
アクレ州は2週間死者ゼロを記録したが、7日は死者ゼロだったサンパウロ州は感染者が前週比で46・9%増、死者も0・2%増えている。