《ブラジル》ボルソナロがPL党首と大げんか?=一転して破談の可能性も=22日の入党式は延期=サンパウロ州知事選の方針など巡り

自由党(PL)は14日、22日に予定されていたボルソナロ大統領の入党式を急きょ延期した。入党式の延期は、大統領がPLのヴァルデマール・コスタ党首と党の方針をめぐってメールで大げんかしたことが原因とされている。15日付現地紙などが報じている。
ボルソナロ氏のPL入りは本人が8日に発表し、「交渉は99%、うまく行く」とまで言い切っていた。PLの方も、党の登録番号にちなんで「22日」をボルソナロ氏を迎える日に指定するなどの待遇を見せようとしていた。
だがその計画は、14日の未明にボルソナロ氏とヴァルデマール氏が交わしたメールで衝突して頓挫した。メールでのやりとりになったのは、ボルソナロ氏が現在アラブ首長国連邦のドバイに滞在しているためだ。だが、このやりとりの最後には、「あなたは大統領かもしれないが、党の方針を決めるのは私だ」「PLなんてくそくらえ」「おまえや息子たちの方こそ、くそくらえ」などと、ののしりあうところまで加熱したと報じられている。
この直接の理由は、ボルソナロ氏が、PLサンパウロ州支部長に三男のエドゥアルド氏を据えることを求めたことにあった。PLは来年のサンパウロ州知事選でロドリゴ・ガルシア氏(民主社会党・PSDB)を支持する予定だが、ガルシア氏がボルソナロ氏と強く反目するジョアン・ドリア・サンパウロ州知事の後継候補だ。そのことが、ボルソナロ氏には許せないことから始まった反目だった。
ボルソナロ氏は、インフラ相のタルシジオ・デ・フレイタス氏をサンパウロ州知事候補にしたがっている。
大統領は今回の件に関して、ドバイで「22日に入党式を行うのが難しくなったというだけだ」と騒ぎを沈めようとしながらも、「サンパウロ州でPSDBの候補など推せない」とくすぶっている様子をうかがわせている。
この口論には、次男カルロス氏がボルソナロ氏に対し、PL入りすることに関する支持者の否定的な反応をまとめたデータを見せたことが伏線にあるとも言われている。
中道勢力「セントロン」のひとつである同党は、ボルソナロ氏の支持者の極右路線とは政治的方向性が異なるうえに、メンサロン事件での収賄と資金洗浄の嫌疑で実刑に服したヴァルデマール氏の存在が、「汚職撲滅」を訴え続けてきたボルソナロ氏の方向性と矛盾するためだ。
カルロス氏はSNSでヴァルデマール氏を攻撃するにいたった後、投稿を削除したが、ボルソナロ氏の支持者たちはまだ、同党への加入に否定的な投稿を行っているようだ。
ボルソナロ氏の入党式を22日に行う予定であることは、来年の大統領選でボルソナロ氏と保守派内の票争いが予想される、元ラヴァ・ジャット作戦担当判事で元法相のセルジオ・モロ氏がポデモスへの入党を宣言した10日に発表された。今回のけんかは、モロ氏に大統領選でボルソナロ氏や同党を批判する材料を与えるとも見られている。
また、北東部のPL支部が大統領選でボルソナロ氏の対抗馬であるルーラ元大統領の支持を打ち出していることも、反目の大きな理由とされている。PLはルーラ政権時の副大統領ジョゼ・アレンカール氏の所属政党でもあった。
ボルソナロ氏は2~3週間の内に問題を解決するようにヴァルデマール氏に求めており、「結果次第で入党するか否かを決める」と伝えたとされているが、15日には「すべてはうまくいき、互いに幸せになると思う」とも語っている。
ヴァルデマール氏は17日に党内の支部長たちにボルソナロ氏受け入れの説得を行うつもりでいるが、その一方でセントロンには「大統領がPL入りしないなら、特定候補の支持を州支部に強要させない」とも語っているという。