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《ブラジル》アウキミンとルーラのシャッパあるか?=PSBが実現に向け奔走中=PTとは6州知事選で共闘も=PSDB党内選挙後に注目

アウキミン氏(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 ブラジル社会党(PSB)が元サンパウロ州知事のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)の移籍に向けた準備を始めていることが明らかになった。アウキミン氏は来年の大統領選でルーラ元大統領(労働者党・PT)の副候補説が噂され始めている。18、19日付現地紙、サイトが報じている。
 アウキミン氏はジョアン・ドリア・サンパウロ州知事との対立からPSDBを離党すると、かねてから噂され、複数の党と交渉を行っていると囁かれている。
 アウキミン氏の離党は、PSDBが今月21、28日に行う、大統領候補を決めるための党内選挙が終わるまでは控えられることになっている。だが、それが終われば一気に加速するものと思われる。
 アウキミン氏の入党を希望している党には、社会民主党(PSD)や、民主党(DEM)と社会民主党(PSL)が合併して誕生した新党のウニオン・ブラジルも含まれている。これら2党はアウキミン氏を次期サンパウロ州知事の候補にと考えていると言われている。
 だが、PSBは同氏をルーラ氏の副候補として考え、PTとの間の大型シャッパの目玉にしようとしている。そのことに関し、PSBは17日に党のリーダーたちの会議を行っている。
 PSBの首脳たちは、アウキミン氏をルーラ氏の副候補にすることによって、ルーラ氏に反感を持ちがちな保守派の不安を和らげる効果があると判断している。それは、ルーラ氏が在任(2003〜2010年)中に保守政党の自由党(PL)のジョゼ・アレンカール氏が副大統領をつとめたことにヒントを得た判断だ。

 また、アウキミン氏はサンパウロ州知事を4期つとめた他、大統領選にも2度出馬するなど、実績と知名度もある。
 PSBでは、大統領選でのシャッパ(連名式名簿)をはじめ、サンパウロ州、リオ州、リオ・グランデ・ド・スル州、ペルナンブコ州、エスピリトサント州、アクレ州の6州で、PTとのシャッパが組めると踏んでいる。
 PSBによると、サンパウロ州を除く5州ではすでに、PTとの連立交渉が進んでいるという。リオ州の場合は、同州で高い支持率を誇るマルセロ・フレイショ下議を同州知事選での知事枠に据えることを強く願っている。フレイショ氏は社会主義自由党(PSOL)に所属していた時、ルーラ氏の支持を得ているが、これを移籍後も確かなものにしたい意向だ。
 問題はサンパウロ州知事選だ。PTでは元サンパウロ市市長のフェルナンド・ハダジ氏が、PSBでも前サンパウロ州知事のマルシオ・フランサが、知事選出馬を希望している。そのため、どちらかが、副候補に回って選挙戦に臨むという条件がのめるか、ということだ。PSBとしては、フランサ氏がアウキミン氏の副知事だったこともあり、フランサ氏を推したい意向だが、ルーラ氏はハダジ氏を推している。
 2006年の大統領選では決選投票まで残って大統領の座を争ったこともあるルーラ氏とアウキミン氏だが、このシャッパに関してルーラ氏は、「彼との間には何の遺恨もない」と語り、アウキミン氏も「名前を挙げていただいて光栄なことだ」と好意的に語っている。