オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が19日、パンデミック中に重症患者急増や入院期間の長期化、院内感染への懸念などで大量の抗生物質を使う必要が生じた事で、抗生物質が効かないバクテリア(細菌)急増中との懸念すべき報告を行ったと19、20日付現地サイトが報じた。
Fiocruz院内感染研究所(IOC)によると、19年は1千強だった薬品耐性のある細菌が、昨年は2千弱に増えており、今年の10月には3700に達したという。
昨年から今年の増加分は関連研究機関が捕らえたもので、国家衛生監督庁(Anvisa)による公式統計ではないが、懸念すべき数字だ。IOCは、他の抗生物質が効かない場合の最後の治療選択肢とされるポリミキシンにも耐性を持つ細菌が増えている事にも警鐘を鳴らしている。
IOCによると、1月に発表された国際的な研究では、細菌の重複感染は症例の8%のみだが、新型コロナ感染症患者の70%以上が入院中に抗生物質の投与を受けていたと報告されている。
★2010年10月23日《ブラジル》驚異のスーパーバクテリア=サンパウロ州パラナ州にも広がる=抗生物質販売制限も検討
★2007年7月3日《ブラジル》抗生物質が効かない=乱用で耐性菌が出現
★2006年2月8日《ブラジル》呼吸器炎症=9割がウイルス性=抗生物質は効果なし=目立つ不適切な服用