サンパウロ州のサントス港とサンタカタリーナ州のインビトゥーバ港の港湾ターミナル運営権入札が行われ、ペトロブラスなどが落札したと19日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
ペトロブラスが落札したのはサントス港のSTS08Aと呼ばれる区画だ。ここは燃料の保管や配送などが行われる区画で、ペトロブラスにとって戦略的かつ不可欠な入札対象。25年間の運営権を5億5825万・99レアルで落札した。
だが、同じサントス港でも、STS08には応札していない。
インビトゥーバにある総合開発地区の港内ターミナルでは、サンタカタリーナ肥料会社がIMB05を20万レアルで落札した。同区画には、アラゴアス州マセイオなどからのバルク液体燃料や化学薬品を南部全域にある企業に供給するための施設がある。運営期間は10年間だ。
国家港湾局のジエゴ・ピロネ局長は、応札者がなかったSTS08の再入札を行う意向で、時期などの再検討に入る。
同局長によると、サントス港では貨物船接岸のための進水台2カ所などへの開発投資が入札規定に定められており、燃料輸送のためのボトルネック解消が期待できるとの見解を表明した。投資によって接岸待ちの船が減り、貨物の流れがよくなれば、契約の不安定さも減ると見ている。
インビトゥーバに関しても、今回の入札でターミナルの機能が多様化され、より多方面にサービスを提供できるようになると見ている。
同局長によると、二つの港湾ターミナルの入札によって予定されている投資額は7億レアルだ。今年成立した港湾入札は12件で、今後3年間で承認された投資額は17億レアルに上る。
民間ターミナルに対して認められた投資も合わせると、現政権が始まった2019年以降の投資総額は約150億レアルに上るとされている。
タルシジオ・デ・フレイタス・インフラ相は、港湾部門の入札は大成功で、国内の港やターミナルは変革中との見解も表明。「民間部門も含めた投資によって港湾がより効率的になり、その動きが活性化する事は、市場の期待に応える事に他ならない」と語った。
同相は、サントス港への投資は民営化の準備とも見ている。同港の民営化プロジェクトは連邦会計検査院(TCU)が検討中で、承認されたら来年第1四半期に入札を行う事になるという。「サントス港民営化は国内初で、今後への港湾民営化の口火となる」という。
同相によると、空港インフラ業務公社傘下の空港は全て民営化されており、国道も既に1万2千キロが民営化された。来年中には5万キロに達する見込みだという。
同相は、「鉄道事業や浄水事業も民営化が進んでいる。エネルギー業界も民営部門に運営権が委譲され、エレトロブラスの民営化も準備が進んでいる」とし、「ブラジルは世界で最も民営化が進んだ国となろうとしている」と語った。