保健省の公式サイトによると、22日午後2時現在の新型コロナのワクチン接種完了者は、1億3122万2213人(人口の61・5%)となった。最低1度受けた人は1億5812万2108人(74・1%)、補強接種や追加接種を受けた人は1277万2804人(6・0%)だ。
20日夜の国内メディアの報道での接種完了者は1億2874万3052人だから、接種完了者は約248万人増えた。これは、保健省が20日から始めた第2回目と補強接種促進のための予防接種キャンペーンが後押しした数字といえる。
だが、22日のサンパウロ州政府の発表によると2度目の接種が遅れている人が450万人いる。内260万人はアストラゼネカ社製ワクチンの接種者で、ファイザー社製ワクチン接種者も100万人いるという。
18日に保健省が発表した2度目の接種遅れは2100万人で、サンパウロ州は410万人、ミナス州は220万人とされていたから、接種遅れは増加傾向にある。2度目の接種遅れは全年齢層で起きているが、専門家は外出する機会が多い25~39歳だけで850万人いる事を懸念している。
17日付伯字サイトによれば、リオ・グランデ・ド・スル州では接種遅れの48%は州人口の21%に過ぎない18~29歳の人である事が判明。若者の接種遅れは懸念材料で、各州が接種を呼びかけている。
若者による接種遅れの原因の一つは、保健省や自治体が2度目の接種までの間隔を短縮した事だ。サンパウロ州の場合の接種間隔はコロナバック28日、ファイザー社製21日、アストラゼネカ社製8~12週だが、初回接種時に記載された2度目の接種予定日が修正されておらず、遅れる例もあり得る。
また、12~17歳の接種開始時に保健省が基礎疾患のない人への接種中止を指示した事やその時に流れた虚報(フェイクニュース)によって接種意欲を失ったり、不安を感じたりする人が増えた事も一因だ。ブラジルの成人は89・9%が接種に意欲的で、世界的に見ても高かったが、国外の調査での子供や青少年の接種意欲は59・7%など、世界的に低い。
だが、ワクチン接種の進展の遅れはコロナ禍終息の遅れや経済活動の回復の遅れにもつながる。
サンパウロ州は全国一接種完了率が高く、海岸部では年末のイベントに規制を敷かないと発表した市があるし、サンパウロ市が来年2月19~3月6日に予定する道のカーニバルへの参加希望ブロッコは867ある。最終的な開催承認は接種状況などによるが、同州内陸部の27市は感染再燃を恐れ、来年も道のカーニバルを行わない事を決めている。