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SPFW=「弓場農場の生活」テーマに=山本フェルナンダがショー=特別展「YAMA」5日まで

ランウェイの様子@agfotosite

ランウェイの様子@agfotosite

 南米最大のファッションの祭典サンパウロ・ファッションウィーク(以下SPFW)が「再生」テーマに16日から開催した。そこで、曽祖父母が生まれた国・日本を参考にし、煩雑な手作業をいとわず珍しい素材を駆使した独自のスタイルで有名な日系四世デザイナー、山本フェルナンダさんが「弓場農場の生活」をテーマに出品しているのを取材した。

 「ユバ劇場創立60周年の節目にまた出演ができ、運命的なものを感じます」。19日、山本フェルナンダさんのショーにモデルとして出演した小原あやさんは、本紙取材にそう感慨深そうに語った。
 あやさんは同農場の彫刻家の故小原久雄(ひさお)さんと弓場バレエ団代表の小原明子さんの娘。06年ほどから弓場の文化交流企画に携わり、10年ほど前から聖市に住んでいる。
 山本さんの対面ショーは19日12時から、サンパウロ文化センター図書館で招待者やマスコミに限定して実施された。山本さんは全体テーマ「再生」を、「弓場農場の生活」という独自の視点から表現した。
 利益最優先の消費社会をこえて、新時代への模索と再生として、持続可能性や女性の活躍、イノベーション、ルーツ、文化の起源などに着目していく。その部分で、弓場農場での自給自足の生活や伯国で日本文化を維持するための文化活動に山本さんは着目した。
 サンパウロ市在住の弓場関係者7人と同農場に現在住んでいる3人の計10人がモデルとなり、山本さんの衣装を着て、手に弓場農場で実際に使われる道具類を手にしてランウェイを歩いた。
 「2年前は弓場農場の皆で出演しましたが、今年は3人のみに限定。感染対策プロトコルを徹底した上での出演となりました」と小原さんは説明する。弓場農場では昨年からコロナ感染者を出さないために外部者を入れない措置をとっており、一時はショーはせず展示のみの形式も考えていたという。
 今回、国内外の博物館や展覧会の企画監督で活躍するマルセロ・ダンタス氏が総合演出責任者として直接キュレーションを行い、山本さんが見事選出された。8月、プロジェクトの方向性を決める会議でマルセロ氏は「弓場農場の食堂はコミュニティの〝コラソン(心臓)〟だ。人が集まり、話し合い、食を共にし、再生の場である」と提案した事で、展示スペースに食堂の長テーブルが置かれる事になった。同文化センター会場での特別展「YAMA」は12月5日まで行われており、その目玉が長テーブルだ。
 長テーブルは、弓場農場で実際に使われているもの。生活の中で自作した木製の玩具や陶器、日用品、美術作品、出版物など並べ、弓場農場内の生活が垣間見える展示内容となっている。
 会場内のQRコードを読み込むと弓場農場のユーチューブチャンネルに接続され、生活の音や弓場の子供たちが詠んだ俳句作品から弓場内の生活が滲むものを選出してまとめた動画作品などが視聴できる。
 山本さんのショーはSPFWサイト内(https://www.spfw.com.br/experience/post/desfile-fernanda-yamamoto)で見る事ができる。同文化センターの開館日時は火~日曜日の10時から18時まで。月曜日は休館日。

 

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    ◎
 今年で60周年を迎えるユバ劇場(テアトロユバ)。1961年のXマスに合わせて突貫工事で作った手作り劇場で、最大800人を収容。そこで毎年で開催されてきた『クリスマスの集い』は、パンデミックのために今年もオンライン開催に。昨年は弓場の公式ユーチューブチャンネルがなく、間借りしての公開だったが今年はチャンネル(https://www.youtube.com/c/ComunidadeYuba)を開設し、25日と30日に公演予定だ。現在チャンネルにはSPFWの展示に関連した「ヤマの音」や「ヤマの子供たちの俳句」、餅つきの動画のほか、過去のXマス公演やアリアンサ入植90年盆踊り動画など10点が公開されている。