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《サンパウロ州》セラーナ市で補強接種開始=10月の感染者数急増で=慎重さ要する日常への復帰

ドリア知事やブタンタン研究所所長も立ち会って行われたセラーナ市での集団接種の様子(Divulgação/Governo de São Paulo)

 サンパウロ市ブタンタン研究所主導の「S計画」でコロナバックによる集団接種を行ったサンパウロ州セラーナ市が、22~28日に18~59歳の人への補強接種を行うと22日付現地サイトが報じた。60歳以上の人は95%が補強接種を終えている。
 18~59歳への補強接種は、規制緩和で通常の活動に戻ったりした事で、10月の新型コロナ感染者数が9月(179人)の約3倍の563人に増えたためだ。10月の感染者はS計画開始直後だった3月の692人以来の多さだった。
 同市では4万5644人の市民の内、2万8380人が2月17日~4月11日の一斉接種への参加を希望。最終的に、市の人口の59・5%にあたる2万7722人が2度の接種を受けた。
 医療関係者は接種完了前から予防接種効果を感じていたが、2度目の接種から2週間以上を経た後は、発症者や重症者、死者がさらに減少した。
 同市は感染拡大が著しかったリベイロン・プレット市に近いが、一時は市外で働く人が感染したと報告されるに止まるほどで、デルタ株の感染者が出始めても感染爆発は起こらなかった。
 だが、8月半ばに州政府が規制緩和を進め、日常生活が戻り始めた事で感染者が増加に転じた。10月の感染者急増は接種完了から半年以上経った人が増えたせいもあるが、重症者や死者の減少は続いており、9月の死者は4人、10月は3人で、6月の2人以来の低い数字となっている。

 日常への復帰と接種完了からの時間の経過に伴うセラーナ市での感染状況の推移は、ブラジル全体への示唆も与える。
 ブラジルでは8月以降、規制緩和が進んでおり、9月以降は連休翌週に感染者数が増えるという状態が繰り返されている。デモも重なった9月は最も顕著で、12~18日は感染者が116・7%、死者も23・6%増えた。10月17~23日は感染者が18・6%、11月7~13日は感染者が13・2%、死者が8・3%増えた。
 死者の増加は感染者の増加より3週間位遅れるのが常だが、9月の死者増加時は、連休で医療従事者が不足した事を原因とする声も出ていた。
 今週も連休翌週で、20~21日は100人台だった死者の7日間平均が22日から200人台に、20~22日は8千人台だった感染者の7日間平均が23日は9千人台に戻っている。
 また、世界保健機関が感染第4波への警告を発した事や、感染者減少が鈍り、増加傾向をみせる市も出始めた事などで、来年のカーニバル中止を決める自治体が増加。サンパウロ州でカーニバル中止を決めた市は24日昼過ぎまでに70以上に増えている。