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《ブラジル》アマゾン河流域に数百隻の違法な砂金浚渫船団出現=生態系破壊の恐れ、COP26の頃から=どの政府機関も責任のなすり合い

アマゾン河流域のマデイラ川には、写真にあるような違法砂金浚渫船団が何百隻も出現している(2020年8月撮影、Foto Bruno Kelly/Amazônia Real))

 一見まるで優雅な水上ホテルのように見えるが、実際はアマゾン河流域の違法な砂金浚渫船団だ。アマゾン川の支流であるマデイラ川には、数百隻に及ぶ金鉱夫たちの採掘船(浚渫船)が大量に出現し、川底の砂金を浚う違法採掘を繰り返しており、河の生態系や環境破壊の恐れから物議を醸している。24、25日付現地紙、サイトが報じている。
 目撃者らによると、300隻を超える船は、いくつものグループに分かれ、列をなして一斉に動いている。川底をさらって土砂を取り込むために、ポンプを使っていることを示す煙もあがっているという。
 環境団体グリーンピース・ブラジル代表のダニクレイ・アギアル氏は、「もう2週間ほどこの状況だが、連邦政府は何もしないでいる」と不満を語っている。
 この金鉱夫たちの行動は、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)がイギリスで開催されていた頃からはじまっていたという。

連邦警察がマデイラ川の違法採掘の取り締まりに乗り出すと報じるjmaisサイトの記事の一部(写真は川面に浮かぶ無数の採掘船)

 金鉱夫の船の運転も金採取も違法との声があがっているが、国立再生可能天然資源環境院(Ibama)は、「違法採掘船の問題は連邦政府の管轄ではなく、アマゾナス州とアマゾナス環境保護研究所(Ipaam)の問題だ」として取り合おうとしない。
 一方のIpaamは、「マデイラ川の管理は国の管轄で、取り締まりは連邦警察と国家工業庁(ANM)の責任」と反論している。他方、採掘船の動きは正常なものではないし、問題の水域での金属類の採取、採掘は違法であるとも明言している。「どの機関も責任を取ろうとしておらず、川の汚染が進むばかりだ」と、アギアル氏は警鐘を鳴らしている。
 25日付エスタード紙などによると、Ibamaと国防省、連邦警察が金鉱夫らの取り締まりを行うための協議をはじめたようだが、詳細はまだ、明らかにされていない。

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